味覚の好みや感情の向く方向でどの臓器が疲れているかを診る、ということです。
五官と五臓の関係について。
肝臓は目 味覚は酸味
心臓は舌 味覚は苦味
脾臓は口 味覚は甘味
肺は鼻 味覚は辛味
腎臓は耳 味覚は塩味
とそれぞれつながっていると考えられています。
こちらで季節と五行についても書いてありますので、良ければどうぞ→和漢薬膳
味覚からくる「五官」の話なら分かりやすい例があります。
とある中年男性Aさんは、塩分大好き人間。
晩御飯だけで一日の摂取目安7グラムを平気で超える食生活を送ってました。
ある日突発性難聴になってしまいました。
それから3年後。
食生活はたいして変わらず。皆は注意したようですが、本人は「好きなものくらい食べないとやってられない」と逆ギレ。
結局どうなったか。
職場で顔を真っ赤にして倒れ、即入院、即手術。
なんとか一命を取り止めましたが、破裂した血管は処置出来ないほどのダメージ。
同じ病で即死した話がありふれており、本人はようやく反省したらしく、減塩生活に切り替えました。
幸い、自己治癒力でなんとかダメージを受けた部分もマシにはなっているそうです。
ただ、以前ほどの血管の壁の強さには戻れないそうです。
五行で言えば「耳」は腎臓と繋がっています。
突発性難聴などは西洋医学では原因不明ですし、私は医者でも医学生でもないのでもちろん原因は断定できません。
が、Aさんの場合で言えば生活習慣と味の好みでかなりはっきりしていると思いました。
耳、腎臓、水。
これがやられた原因は過剰な塩分ですし、さらに水は火を消します。
火は心臓に当たります。
顔が真っ赤になっていた、ということは、火である心臓が悲鳴をあげた何よりの証。
もし突発性難聴になった時点で、塩分のせいかも、と気づけたら心臓が悲鳴をあげることはなかったかも。
これはかなり厳しい状況の話なので、もしかしたら身近ではないかもしれません。
身近で言えば、例えばセックスの後。(一人えっちでも)
耳がぼやーっとなったり、立ち上がると耳鳴りがしてふらつくことないですか?
愛液も「水」にあたり、さらに東洋医学では腎臓は生殖器も含む、としています。
セックスとは「水」が一時的に大量に排出され、腎臓は何らかの刺激を受けた状態です。
(もちろん血も関係しますが、ここでは水の説明でいきます)
耳は三半規管というバランスを司る部分があるため、耳がダメージを受けるとまっすぐ歩けなくなったりします。
そして心臓もどきどきしますね。
顔も赤くなります。
セックス中に心臓にショックを受けて……、という話はちょこちょこあるので、脅したくはないんですけど、まあ、健康第一ですよ。
健康ならしばらく休むと治まることがほとんどなので、すぐに立ち上がったりしないでゆっくりしましょう。
星のマークはどこから描いても完成します。
今回はわかりやすい話が身近にあったので「耳」「腎臓」からの「心臓」でお話しましたが、もちろん「脾(胃の方がわかりやすいかもしれない)」からでも同じことは起きます。
最近よく聞く「糖化」ね。
糖分は本当に人間が大好きな味覚。脳への栄養素なので仕方ありません。
糖が足りないと意識を失い、そのまま植物人間になる可能性もあります。
低血糖で命の危険がある子供には飴玉を常に携帯させ、必要な時に舐めるようにする、という治療法もあるくらいです。
ただ摂り過ぎればもちろん「糖尿病」であるとか、ご近所さんはそれが進んでガンになってしまいましたし、糖化で体のあちこちが硬くなって排便もままならず、というのはよく聞きます。
脾臓がやられると腎臓、腎臓の次は心臓。
心臓であれば今度は肺。肺の次は肝臓です。
相剋関係はかなり当てはまります。
緊張で胃が痛いとか、そういうのは特に気にしないで良いのですが、何日も不調が続くであるとか、日頃の食生活で不安があるならすぐに体質チェックをして今の体調に良い食材を選んで下さいね。
もちろん、病院でちゃんと診てもらうことも視野に入れましょう。
五情
子供のころから心配性だった私は胃が弱く、食も細かったものです。
将来への不安も多く、生理不順も続いたり。
五行で言えば悩み、悩みは脾に当たります。
脾臓はほぼ胃(同じ臓器ではない)なので、胃が弱いはばっちり当たっています。
そして不安がちで甘いもの好き。
甘いものを摂りすぎると腎臓に負担がかかります。
東洋医学では腎臓は生殖器も含むので、不安がち、生理不順になるのも納得ですね。
感情の中で、一番続いている感情は何か?で疲れている臓器を診る。
怒りが続くなら肝臓。
嬉しすぎて落ち着けないなら心臓。
悩んでばかりいるなら脾臓。
悲しみが続くなら肺。
恐怖心が続くなら腎臓。
恐怖のあまりおしっこをもらしてしまう……というのはそのままですね。
嬉しいのは悪いことじゃない気もしますが、行き過ぎると意識が飛ぶんですよ。
好きなアイドルのライブに行って、目が合ったと思った瞬間に失神。
こういうことです。
五行ってどうしてもその「星」のマークに注目しがちですが、一番大事なのは〇です。
バランスを取ってきれいな円を描くことを意識しましょう。
酸味を摂ったなら苦味を、苦味なら次は甘味を、甘味を摂ったら辛味を、次は塩味、と〇を描くように意識するというもの。
これは逆回転でも大丈夫です。
時には控えることも大切なので、常にプラスしていけばいいというものではありません。
あくまでもバランスが大切です。
和漢薬膳は万能薬ではありませんし、出来るのは食事でのケアだけです。
人の体には自己治癒力は備わっていますが、それでも病院に行く必要がある方はいます。
体のことで気になることがあるなら、お医者さんに相談してみましょう。
早いうちに体調不良に気づければ、その分対応の選択肢も増えます。
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