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和漢薬膳

和漢薬膳とは。

東洋医学でもかなりメジャーな「薬膳」を、現代の日本人向けに考案された食薬です。
漢方や薬膳ほど本格的なものではありませんが、スーパーでも普通に手に入る食材を使って、気軽に日常に取り入れられるのが特徴。
人それぞれ違う体質を見極め、その人の体に合う食材、調味料を使って体を内側から整えることを目指したお料理です。

体質チェックしてみる→和漢薬膳の体質チェックであなたの体を知ってみましょう。

 

薬膳の基本的なこと。

 

・未病

これは調子が悪いけど、病気ではない状態のことです。

病院に行って健康診断をしてもひっかからず、治療が行われないことも多いのですが(病気じゃないのに投薬、外科手術などは危険)、東洋医学ではこの「未病」を重要視し、未病を正常に整えることを中心に考えます。

放置すると名前のある病気になる可能性がある他、調子が悪いのは何らかのSOSだからです。

 

・心身一如
東洋医学では精神と体調の繋がりを重視します。
いらだちがひどい時は「気滞」であるとし、反対にやる気がない時は「気虚」とし全く違うアプローチをします。
緊張すると胃が痛くなったり、喉が苦しくなったり、怒ると心臓がどきどきしたり。
感情と内臓、体の動きはすべて関わっています。
「体と心は一つの如し」ということです。

 

・薬膳はカロリー計算をしない。
薬膳の世界では人それぞれの体質に合わせた食材を選び、体内のバランスを整えることを重視しています。
食材の栄養成分を見ないということではありません。
それらももちろん大切ですが、例えば「体を冷やす食材だけど、カロリーが良いから」と風邪の時に勧めることはしない、という感じです。
データを見れるようになった近代と違い、古代ではそういったデータを見れなかったというのもあります。
科学的根拠を求める西洋医学でしたが、科学・化学は進むほど昔の知恵は当たっていた、の裏付けになっていることがほとんど。
さらに薬膳は発祥が数千年前で、診てきた人の数はまさしく天文学的人数。
かなり精度の高い「統計学」であるとは言えるでしょう。
それに、東洋医学と西洋医学の組み合わせは今後進みそうですし、栄養学とはかなり相性が良いはずですので、これからに期待しましょう。

 

・体質は変化する。
年齢や環境、生活習慣などにより体質は変化します。
飲酒、喫煙、運動量も関わります。
特に食材の影響は強く、寒体質の方が冬に強くなることもあります。
女性なら排卵、月経、閉経、と月に何度も体質は変化します。

 

・気 血 水

東洋医学の世界ではこの三つの要素が体をめぐり、私たちの体の働きを維持している、と考えています。

・気(エナジーとも)
これは目には見えないものですが、気力、元気、やる気、無気力など、気配として感じ取っています。
特に日本人は「感じやすい」ようで、空気を読むという言葉もあります。
生まれつき持っているものでもありますが、食材や環境からも得られます。

・血
全身を流れる血液のこと。栄養を全身に届けています。常に「気」と一緒になって体中を巡っています。

・水
血液以外の体液のことです。
血液と合わせて「陰液」とも呼ばれることも。
人体の60~70%は「水」と言われています。
血液と違い、血管の外にも存在します。
肌の潤い、涙、粘膜なども水に当たります。

この「気・血・水」は体調・体質を診るための重要なキーワードです。

 

・五行

陰陽師の映画などでも出てくる星形の図形。
五臓六腑、の五臓、感情、季節など、あらゆるものがこれに当てはまります。
陰陽師というと日本の魔法使い……みたいなイメージがありますが、実際は天文学者であり自然科学者(化学者?)。
もちろん星占いなどがあるように、占いやおまじないなどもあったようですが、主な仕事は暦の作成でした。
和漢薬膳でも暦、季節を重視しており、季節ごとの体調を整える食材を選んだりします。

 

・相生・相剋関係
点線の矢印が相生といい、向かう先を育みます。
木は燃料となり、火は土を肥やし、土は金属を産み、金属は水を浄化し、水は木を育てます。
これが相生です。

 

黒い矢印が相剋といい、向かう先を抑制します。もうちょっと言うと、傷つけます。
木は根で土を抑え、土は水を吸収し、水は火を消し、火は金属を溶かし、金は木を切ります。
これが相剋です。

とはいえ必ず相剋関係が当てはまるわけでもありません。

火の勢いが強い場合、水は蒸発します。

水の勢いが強い場合、土は流されます。

土の勢いが強い場合、木は根を張れません。

木の勢いが強い場合、金は切れません。

金の勢いが強い場合、火は溶かせません。

強すぎてもいけない、弱すぎてもいけない。
バランスが全てです。

 

また、五行はそれぞれ季節や方角などを司ります。

色も持っています。

 

・木 季節は春 気候は風 色彩は青 方角は東

・火 季節は夏 気候は暑 色彩は赤 方角は南

・土 季節は土用、もしくは梅雨 気候は変わり目 色彩は黄 方角は中央

・金 季節は秋 気候は燥 色彩は白 方角は西

・水 季節は冬 気候は寒 色彩は黒 方角は北

「土用」とは、季節の変わり目のこと。各季節前に存在します。

 

・五味調和

五行それぞれに味覚を司ります。薬膳に置いても重要な要素です。

・木 味覚は酸 五臓は肝臓 六腑は胆 五官は目 五体は筋 五情は怒り

・火 味覚は苦 五臓は心臓 六腑は小腸 五官は舌 五体は脈 五情は喜び

・土 味覚は甘 五臓は脾臓 六腑は胃 五官は口 五体は肌肉 五情は心配、悩み

・金 味覚は辛 五臓は肺 六腑は大腸 五官は鼻 五体は皮膚 五情は悲しみ

・水 味覚は塩味 五臓は腎臓 六腑は膀胱 五官は耳 五体は骨 五情は恐れ

をそれぞれ司ります。

それぞれのメリット・デメリットの部分を簡単に書いていきます。

 

酸味 メリット部分・肝臓に良い。血液浄化。下痢や頻尿に良い。

デメリット部分・胃を弱くする。

 

苦み メリット部分・心臓に良い。解熱作用。咳、頭痛に良い。

デメリット部分・肺を弱める。

 

甘味 メリット部分・胃に優しい。滋養強壮。リラックス。

デメリット部分・腎臓を弱める。過度な摂取で胃に負担がある。

 

辛味 メリット部分・肺に良い。血行促進。体を温める。

デメリット部分・肝臓を弱くする。過度な摂取で汗をかきすぎる。

 

塩味 メリット部分・腎臓に良い。便秘解消。しこりをやわらげる。

デメリット部分・心臓を弱める。

 

・陰陽

このマークの白い方が陽、黒い方が陰です。

陽の一番大きくなった部分の中の黒い丸が陽中の陰。

陰の一番大きくなった部分の中の白い丸が陰中の陽。

ほうれん草などの葉野菜は太陽を浴びて育ちますが、性質は「冷やす」もの。
陽の中で育つ「陰」の代表的な例と言えるでしょう。
根菜の多くはその逆ですね。

このように、陰陽もお互いがお互いをはぐくみ、反発しあいながら協力して様々なものを生み出します。
熱すぎると爆発してしまうし、冷えすぎると固まってしまいますから、どちらが良くて悪いというものではありません。

陽は明るい、太陽などを表し、陰は暗い、月などを表します。

また季節や時間も表しています。
例えば夏至。
これは一番太陽の力が強い日なので、陽のピークですが、そのピークに陽中の陰があるわけです。
夏至の日が過ぎるとあとは太陽の力は弱まります。
陰が徐々に大きくなっていきますからね。
その反対が冬至ですね。
冬至から太陽が復活していきます。

陰陽のマークで「宇宙」も示せるのですから、シンプルながらかなり奥深いマークです。

 

・陽に属するもの

太陽 温かい 明るい 昼 木 火 春・夏 外 動 男性 上半身 六腑 皮膚 筋肉 気 熱

・陰に属するもの

月 寒い 暗い 夜 金属 水 秋・冬 内 静 女性 下半身 五臓 内部の臓器 血・水  冷え

 

食材としての陰陽

・陽

塩分が多い

縮む

固いもの

育つのに時間がかかるもの

地下に伸びるもの

寒い地域で育ちやすい

 

・陰

カリウムを含む

ゆるめる

柔らかい

育つのが早い

地上へ伸びる

暑い地域で育ちやすい

 

陰気、陽気、というのはかなり奥深いテーマ。
陽気というのは行動的で明るく、一見良さそうですが、実は「短絡的、浅はか」という意味もあります。
黄色信号なのに「大丈夫大丈夫!」と渡ったために交通事故……というのは陽気のもつデメリットの部分と言えます。

陰気は嫌な印象がありますが、「思慮深い、優しい」という意味も含んでいます。
黄色信号で渡らない判断が出来るのが陰気の強味。
ただし陰気がすぎると青になっても動けない……ということになってしまいます。

どちらも必要な素質です。

面白いのは、「陰が先」というもの。

 

言ってしまえば和漢薬膳は現代のキッチンの陰陽術。
永すぎるほど永い歴史の中、途切れることなく続いてきた東洋の神秘のかけらです。
自然と地球、宇宙の流れに沿って生きるというとちょっと壮大?かもしれませんが、実際季節に合わせて暮らすというのはそういうことです。
和漢であなたの生活がより充実したものになりますように。

まずはここから!→和漢薬膳の体質チェックであなたの体を知ってみましょう。

 

 

(参考元:がくぶん「薬膳マイスター養成講座」)

(参考元:上田隆勇「小顔になる顔ツボ1分マッサージ」2010 王様文庫)

(参考元:辰巳 洋「薬膳の基本」2016 緑書房)

(参考元:辰巳 洋「薬膳素材辞典」2018 源草社)

 

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