では健康油に切り替えるとして、何を選べばいいのか?
危険油についてはこちら→あなたが口にしているその油、大丈夫ですか?
植物油は総じて「高温加熱・酸化により毒素を発生させる」ものです。
家庭での調理なら200℃を長時間超すことはあまりないと思いますので、そこは神経質にならないで。
ただし天ぷら・唐揚げなどは注意が必要です。揚げ油の使いまわしは絶対しないようにしましょう。
なるべく早く使い切ること、光にさらさないこと。
酸化したものは嫌なにおいがします。ここは嗅覚を信じて、不快であれば決して使わないように。
消費期限もしっかり確認しましょう。
さらに
「コールドプレス」
「スチームリファイニング」
「低温圧搾」
の製法を選ぶことが絶対条件です。
現代人に特に不足しているのがオメガ3。
そしてオメガ3に多く含まれているのがαーリノレン酸、DHA、EPAです。
魚類にはDHA・EPAが多く含まれており、出来ればお刺身で頂くのが最も効率が良いでしょう。
幸い日本は新鮮なお魚が食べられますし、カルパッチョなどもおしゃれ料理の一つとして若い女性にも好まれます。
お肉も体には大切ですが、魚も多く取り入れるようにしてみましょう。
(オメガ3系の油は、オメガ6・9に比べても格段に加熱に弱いです。そのためお刺身がおすすめです)
(「〇〇酸 〇%」は商品により前後しますので、おおよそこのくらい、とお考え下さい。)
そしてオメガ3系健康油の代表格がこの二つ。
・アマニ(亜麻仁)油
αーリノレン酸 47.5%以上
乳幼児を抱えるお母さんにおすすめされています。
というのも、母乳を通じて赤ちゃんにその栄養がいきわたるからですね。
アレルギー対策にももちろん、脳の神経細胞を癒して活性化させてくれるので、情緒の安定にも役立ちます。
・エゴマ油
αーリノレン酸 60%以上
含有量は圧倒的に多いです。
そのため血管に関わる生活習慣病予防にももちろん、アレルギー疾患や炎症性腸疾患の方の食生活指導のため医療の現場でも積極的に取り入れられているとか。
血の巡りがスムーズになるため、炎症は抑えますが指先の冷えなどは軽くなるでしょう。
花粉症や皮膚病などのアレルギー対策にすすめられるのには、エゴマ油は体内に吸収されやすい構造をしているためです。
どちらも摂りすぎれば今度は血が固まらないなどの悪影響もあります。
物事はメリット・デメリット両方があるものなので、多ければ良いとは言えません。
生活習慣や体調によって選ぶと良いでしょう。
オメガ3系は頭脳労働の2時間ほど前に摂取するのが良い、と考えられています。
夜型の人なら夜でも構いません。
が、朝方の人が夜に摂るとただ脂肪を蓄えただけ、になるかもしれませんのでご注意下さい。
それから大体商品のパッケージに書かれていると思いますが、一日小さじ1杯ほどが目安です。
多ければいいわけではありません。
それから加熱はしないこと。
生で使うようにしましょう。
健康油の代表的なのはオリーブオイルです。
これはオメガ9であり、加熱にも強いのが特徴。
リノール酸 9.5%
オレイン酸 75%
パルミチン酸 11.5%
βカロテン、ポリフェノールなど健康・美容に良い成分も多く含まれ、イタリアでは乳児にも与えるほど安全性の高い油。
愛好家が世界中にいるので、丁寧に作られた商品が多く、味の違いを楽しむことも出来ます。
調理用としてもそうですし、サラダ用、カルパッチョ用にも使えるので万能ですね。
意識高い系女子は大抵オリーブオイルを使っている、とよくからかわれますが、実際意識高い人は健康にも気を使っていますし、そのために肌の調子も良くて仕事も出来るのなら、やはり効果は折り紙付きと言えます。
ですが植物油は高温に弱い、という性質がありますよね。
体に良い成分が熱によりヒドロに変化している可能性があるわけです。
そのためオリーブオイルを選ぶ際にはちょっとした基準があるのです。
・エクストラヴァージンオリーブオイル
化学溶剤を使用せずに絞られた最高級オリーブオイルです。
安全面でいえばこれが一番よく、生でも使えますし、加熱調理でも使えます。
・ピュアオリーブオイル
これは精製されたオリーブオイルにヴァージンオイルを加えて味を調えたもの。
加熱調理用としてなら優秀です。
・遮光瓶に入っているかどうか。
油というのは基本的に酸化しやすく、光に弱いです。
そのため濃い緑色の瓶に詰められています。
手を出してはいけないもの
・オリーブポマースオイル
・安価すぎるもの
これはオリーブの残り糟を溶剤でさらに精製したもの。
スーパーなどではほとんど見かけないはずですが、一部業務用として安価で売られているようです。
製法なども詳しく書いていない可能性が高く、遮光すらしていないようであれば中身は傷んだものであると考えて良いでしょう。
オリーブというのは、薬膳で言えば「肺」に良いとされています。
肺に良いということは、大腸にも良いということ。
事実オリーブオイルには腸を優しく刺激することで、腸の運動を促す効果があります。
更には胃、心臓にも良いとされており、冬場眠る前に1さじ舐めると喉が楽になりやすいです。
また体に残った余計な熱を取ってくれます。
あくまでも余計な熱、ということで、体を冷ます作用があるものではありません。
老若男女に使えますが、特に男性にお勧めです。
というのも、男性は体の外に性器がありますね。
これは適度に冷えている方が良いからと考えられています。
熱がこもると精子が減ると言われています。
だから男性には腹巻って勧められないのですが、脱線しそうなのでここでやめておきましょう。
そういう意味でも、余計な熱は取る、というのはかなり男性向けですね。
オリーブオイルといえばイタリアンを連想しますが、実際イタリア男性は恋愛に積極的な印象です。
こういった食生活も一役買っているかもしれません。
また魚介類中毒を防ぐ、とも考えられています。
カルパッチョで使われるのは納得ですね。日本でいう「お醤油」と同様の働きをしています。
・ゴマ油
これはオメガ6・9。
リノール酸 41%
オレイン酸 42%
パルミチン酸 12%
リノール酸とオレイン酸のバランスが良く、和食との相性も良い使いやすい油です。
ビタミンE、B1、鉄、カルシウム、ゴマリグナン、セレンなどの栄養成分も。
体内から潤いを与えることで美肌への効果も期待できます。
さらにゴマ油は抗酸化作用のある「セサミン」を含んでいます。
セサミン自体は加熱すると量が増えるといわれ、しかもゴマ油自体熱しても酸化しにくいという性質も持っています。
とはいえリノール酸ですから、高温加熱でヒドロになっている可能性はあります。
そのため低温圧搾、生絞りで作られたものの方がより安心でしょう。
おすすめは太白ゴマ油。
これは低温圧搾で作られ、ヒドロ発生の危険も少なく無味無臭でさらっとしており、家庭での加熱調理でも問題ありません。
スイーツづくりにも使えます。
焙煎された茶色のものは、ゴマ油特有のあの香りがします。こちらは調理時に使うより、最後の風味付けに使うのであればそれほど問題ないでしょう。
・米油
ゴマ油と同じく、オメガ6とオメガ9を含んだ油。
リノール酸 34.3%
オレイン酸 41.4%
パルミチン酸 16.2%
こちらもリノール酸とオレイン酸のバランスが良く、無味無臭で非常に使いやすい油。
さらに高品質のものでも手に取りやすいお値段で、スーパーでも簡単に手に入ります。
また注目すべきは「γオリザノール」
これは自律神経を整え、失調症の予防につながると考えられている成分です。
ストレス緩和、更年期障害の緩和、と女性に嬉しい効果が期待でき、さらに食物繊維も豊富です。
コレステロールを下げる力は植物油の中で最も高い、とされています。
かなり優秀で、しかも買いやすく使いやすい。
日常使いにおすすめです。
毒素の発生率も低く、加熱後の酸化もしにくいことから、比較的安全なスナック菓子にも使われています。
化粧品にも酸化防止剤代わりとして使われることもあり、もしかしたらあなたのお肌にも使われたことがあるかもしれません。
とはいえ、こちらも高温には弱いので、「スチームリファイニング」「低温圧搾」「コールドプレス」などの製法で丁寧に絞られたものを選びましょう。
以下は手に入りにくい健康油。
(丁寧な製法で作られているか、疑問の余地があるものは手を出さないようにしましょう)
・グリーンナッツヴァージンオイル
αーリノレン酸 50%
リノール酸 30%
オレイン酸 8%
オメガ3系ですね。
短時間であれば加熱調理にも使える、さわやかな風味の食用油。
ビタミンEの含有量は植物油でもトップクラスで、必須アミノ酸なども含んでいます。
ビタミンEは血のめぐりを促しますので、冷えで悩む方にも心強い油と言えるでしょう。美肌を目指したい、維持したい方にもおすすめ!
出来ればヴァージン、そしてコールドプレス製法のものを選びましょう。
・ハイオレックタイプの菜種油
オレイン酸 64%
リノール酸 19%
リノレン酸 9%
とオメガ9・6系の油です。
ハイオレック系であれば比較的安全に使えるでしょう。
ビタミンKをたっぷり含み、これは骨にカルシウムを定着させるビタミン。
そのため骨が弱い方や、更年期の女性におすすめ。
・ヘーゼルナッツオイル
オレイン酸 41.9%
パルミトレイン酸 24%
リノール酸 8.9%
オメガ9系の油と言えそうです。
そのため、どちらかと言うと美容向き?と考えられそうです。
こちらもビタミンEがたっぷりと含まれ、酸化に強く、消化を促すとされているので胃が弱い方には良いでしょう。
生活習慣病予防にも向いています。
ただ高級品であるということ、オメガ9は人体でも合成できるので、進んで摂ることはしなくて良いでしょう。
・ピーナッツオイル
オレイン酸 41.6%
リノール酸 36.7%
パルミチン酸 11.7%
オメガ6・9系のバランスの良い油です。
レシチンやカルシウム、マグネシウム、ビタミンなどの嬉しい栄養がたっぷり。
オレイン酸が多いので酸化もしづらく、体が丈夫になるのでなかなか優秀な油。
加熱調理にも向いていますし、エスニック料理が好きな方ならすぐに馴染めるでしょう。
・ピーカンナッツオイル
オレイン酸 73%
αーリノレン酸 17%
カリウム、鉄、ビタミンEやマグネシウムなど、体を丈夫に導くための成分も含まれています。
オレイン酸が多く加熱にも向いていますが、αーリノレン酸を効率よく摂るためには生で使う方が良いでしょう。
※ナッツ類はアレルギーを起こしやすいものなので、注意が必要です。
・ヘンプシードオイル
リノール酸 47%
αーリノレン酸 17%
オレイン酸 6%
γーリノレン酸 4%
オメガ3・6系油。
αもγもどちらも炎症を抑えたり、保湿の役割を果たしてくれます。
脳の炎症も抑えるためストレス対策にもよく、月経前の女性におすすめ。
加熱に弱いので、生で摂ることが絶対条件です。
・アルガンオイル
オレイン酸 47.3%
リノール酸 33.2%
パルミチン酸 13%
サハラ砂漠で育つあのアルガンオイルです。
髪の保湿のため、と日本でも販売されていますが、砂漠と比べると日本はかなり多湿の国なので、果たして合うのかどうか……という話はさておいて。
オレイン酸が多く、酸化しづらいオメガ6・9系の油。
そのため加熱調理にも向いています。
ビタミンEの含有量はオリーブオイルの2倍で、フィトケミカルというポリフェノールが多く、老化防止に役立ちます。
しっかりした油分なので、体内の保湿にもかなり向いていますが、その分重めなので常食には向かないかもしれません。
・ボラージオイル
リノール酸 38%
γーリノレン酸 24%
オレイン酸 15%
オメガ6系の油。
特筆すべきはγーリノレン酸。
これは女性ホルモンの乱れからくる情緒不安に良いとされる成分で、ホルモンの分泌を促したり、と女性のPMS対策にかなり役立ちます。
重ねて書いておきますが、いずれも「摂りすぎれば毒になる」ものです。
健康に良いからと無理をしても、体が求めていない可能性もあります。そのため、合う合わないが出てきます。
大体の商品に摂取目安量が書かれているはずなので、パッケージをよく確認して下さいね。
参考になりましたら幸いです!
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