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しかし油は必要である。

2023-06-21

 

危険油は控えましょうという話でしたが、じゃあ油をやめれば良い……ということではありません。

危険油の記事はこちら→あなたが口にしているその油、大丈夫ですか?

美容でも健康でも突き詰めれば油、というわけで、油自体は体に必要です。
スキンケアでも保湿のための化粧水を塗ったあと、油分のあるクリームや乳液、美容オイルを使って水分が蒸発しないよう、カバーしますよね。
しかも美容オイルにも栄養が含まれているので、上手く使えば美肌になれます。
それと同じことが体内、脳内にも起きているんです。
喉のためにはラードが良いですよ、と書いているように、体内を乾燥から守ってくれるのも油ですから。
しかも脳はその60%が脂肪で出来ています。
働き自体は油のそれというより、筋トレのような働きをしているらしいのですが……。

では、具体的にどのような効果を私たちの体にもたらしてくれるのでしょうか?

 

1・老化を防ぐ
植物油にはビタミンEが豊富に含まれています。
紫外線はじめ、食品添加物などのデメリットは老化を促進します。
紫外線は適度には必要なのですが、日光浴の際には季節問わず日焼け止めは不可欠です。
その老化対策として、ビタミンEが効果的とされています。
危険油、で紹介はしたのですが、紅花油、ひまわり油はそのビタミンEを多く含んでいます。
ようは「ヒドロ」やリノール酸の摂りすぎが問題で、リノール酸自体(というか、オメガ6)は本来は体に必要なものです。
そのため、摂取目安を守ればかなり使える油と言えるでしょう。

ビタミンEは活性酵素から細胞膜を守る役割を果たしています。
そして老化の要因である過酸化脂質の増加を抑えてくれるので、老化防止に役立つということです。
末梢血管を広げ、血の巡りを促すので指先が冷える方にも良いビタミンです。
脳下垂体と副腎の機能を整え、ホルモンの分泌を整え……と女性には嬉しい効果がたくさん。
それがビタミンEの特徴です。

油は水分の蒸発を防ぐ、と書きましたが、調理中でも同じことが起きています。
キャベツ、人参などの野菜類のビタミンは、洗うだけでも落ちていきます。
そのためレンジ調理はけっこう良いのですが、もう一つは油を使って炒めるというもの。
油のカバー力で野菜の表面をコーティングすれば、ビタミンが逃げすぎることなく体に摂り入れることが出来ます。
人参などは、油を用いて軽く炒めるのが一番良い、と薬膳でも教えています。
(最近ではレンジがありますし、あれで人参を蒸せばかなり美味。手軽でかつ炒めるより美味しいので、ぜひ)

 

2・ダイエットの心強い味方に!
油、と言うとダイエットの敵のようなイメージがありますね。
ところが、油が適度にあるとむしろ腹持ちが良く、満足感も得られて、しかも健康油に含まれるオレイン酸は優しく腸を刺激するので、便も出やすくなるというメリットも多いのです。
イメージとしては、腸の表面を乳液でカバーしていく、みたいなものです。
食べ物を消化し、吸収しきれなかった分が贅肉のもとになっているわけですが、その際の油が全て贅肉、あるいは脂肪分になるわけではありません。
αーリノレン酸の特徴としては体内で優先的にエネルギーになりますので、ダイエット中の人にも勧められる油と言えます。
もちろん過剰に摂れば何でも害になるので、適量を守ることが秘訣です。

 

3・美肌へ導く
美容に油を使うのは古今東西歴史もあり、現代でもかなり広まっている、おそらく常識になりつつある考えですね。
これは体内に良い油を取り込めば効率よく全身のお肌にも効果ありですが、お肌に塗るのも効果ありです。
油分に含まれているビタミン類や、αーリノレン酸など炎症を抑える成分などをうまく取り入れ、痛んだお肌を健康に導くということ。
オレイン酸は有効成分が浸透するのを助ける、天然の「導入剤」の役割を果たします。
キャリアオイル、と呼ばれるものはほとんどこの役目を持っていますね。
キャリアとはつまり「運ぶ」の意味で、キャリーケースとかのキャリーと同じです。美容成分を肌の奥深くへ運ぶのでキャリアオイルと呼ばれています。
もちろん水分の蒸発を防いだり、とかなり働いてくれています。
セラミドにはリノール酸が含まれているので、肌の健康を守ることが出来るということです。

 

4・アレルギー対策に
危険油で説明しましたが、使いようによってアレルギー体質になるのなら、使いようによってはアレルギー対策も出来るということです。
リノール酸は上でも書いてあるように適量であれば体を守ってくれます。
過剰摂取と「ヒドロ」でダメになってしまうんです。
アレルギーとは、免疫が弱い印象があるのですが、その逆です。
過剰防衛です。
炎症はなぜ起きるかといえば菌をやっつけるためです。
その菌がいなくなったのに、免疫が暴走して自分の体を攻撃している。
だから炎症反応を抑えて、免疫の暴走も止まりやすくしようねということです。
そのため炎症を抑えてくれるαーリノレン酸をバランスよく取り入れたいところなのですが、リノール酸が多すぎるとαーリノレン酸が入れる余裕がないんです。
そしてリノール酸は加熱によりヒドロを発生させている可能性があるということ。
だからリノール酸を減らし、αーリノレン酸を意識してみましょうね、という話なんですよね。

 

5・コレステロールの吸収抑制
コレステロールも体には必要なのですが、悪影響もあります。
コレステロールとは肝臓で生成され、細胞やホルモンを作り、栄養の消化吸収の役割を担っています。
問題なのは悪玉と善玉のバランスが悪くなった時です。
どこにいってもこの「バランス」が全てのカギを担っている感じですね。
体に不要なものは自然排出されるようになっているものですが、食生活の乱れや運動不足などで悪玉コレステロールが増えてしまうことになります。
植物油には総コレステロールと悪玉コレステロールを下げる植物ステロールという成分が含まれています。
植物コレステロールと人間が持つコレステロールは非常に似ているので取り込まれやすく、その際に全体的にコレステロール吸収量を抑えられるという仕組みです。
さらに植物コレステロールは利用されませんので、排出されていきます。
結果、余分なコレステロールが減るということです。
さらにαーリノレン酸には悪玉コレステロールを下げる効果あり。
上手く取り入れれば、生活習慣病の予防にも繋がります。

 

6・心にも嬉しい効果
女性なら月経、出産、授乳もありますしホルモンのバランスが乱れやすいもの。
以上でもホルモンにも良い、と説明されていますし、さらに脳は60%が油で出来ています。
良質な油を摂るということは、脳の健全な働きを助けることにつながります。
危険油で説明した通り、脳細胞はかなり油によって左右されていますね。
リノール酸過多、ヒドロで脳が弱ってしまいます。
αーリノレン酸、DHA、EPAなどは「頭に良い。賢くなる」と言われていますが、実際炎症を抑えて脳を助けてくれる成分です。
これらが含まれるオメガ3を意識し、リノール酸を控えるようにしてメンタルケアに役立てましょう。

 

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  • この記事を書いた人

深月カメリア

ライター:深月カメリア 女性特有の病気をきっかけに、性を大切にすることに目覚めたXジェンダー。以来、性に関して大切な精神的、肉体的なアプローチを食事、運動、メンタルケアを通じて発信しています。 Writer:Camellia Mizuki I am an X-gender woman who was awakened to the importance of sexuality by a woman's specific illness. Since then, I've been sharing an essential mind-body approach to sexuality through diet, exercise, and mental health care.”

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