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心理 音声読み上げあり

ギリシャ神話「エロスとプシュケ」に学ぶ女性の成長の旅路

ギリシャ神話屈指の純愛物語。中身はやっぱ深い!

 

音声で聴けるようになりました。

©VOICEVOX:四国めたん

 

 

思うに、エロスとプシュケは男女の辿る精神の成長そのガイドであり、特にプシュケを通じて女性の成長を描いている物語。
女性の中にも当然男性的な面、男性性があります。(反対に男性にも女性性があります。これは両方あるのが理想です)
男性性を発見し、追い求めることが、女性であるプシュケを助けることにも。
女性としてどのように成長していけば良いのか、その一助にエロスとプシュケはなれるでしょう。
また、私個人の独自考察もリンクしています。ギリシャ神話「エロスとプシュケ」勝手に考察。
あくまでも個人の意見ですが、おそらく参考になると思います。
良かったらあなたご自身でも考えてみて欲しい、そしてあなたの人生や心の成長に役立てて欲しい、素敵な物語です。
ぜひ楽しんで下さい!

 

幕開け・女神アフロディーテの嫉妬とエロスとプシュケの出会い
ある国の王さまと王妃さまには3人の娘がいました。
なかでも末娘のプシュケの美しさは国外でも噂になるほど。
プシュケの美しさを一目見るため、たくさんの人々が国にやってきました。
そのため、美の女神アフロディーテの神殿を訪れる人も少なくなり、信仰心を失ったアフロディーテはその原因であるプシュケに嫉妬します。
アフロディーテは息子であるエロスに命じました。

「あのプシュケにこの世で一番醜い男に恋をさせ、みじめな一生を送るように仕向けなさい」

エロスは触れた者は次会う者に恋をする矢を持ち、プシュケのもとへ。
エロスはプシュケーの寝室に入るとその脇腹を矢の先端でつつきました。
目をさましたプシュケはエロスの方を見ましたが、人間の目には神であるエロスの姿は見えません。
この時、プシュケの美しさに驚いてしまったエロス。
思わず自身の矢で自分を傷つけてしまいました。
たちまち恋に落ちてしまったエロス。

 

結婚出来ない王女プシュケ
プシュケの姉たちはすでに結婚。
しかし結婚適齢期のプシュケは女神アフロディーテの嫉妬のために、誰もが見とれるほどの美しさを持ちながらも求婚はされないまま。
プシュケの両親は心配のあまり、アポロンの神殿へ行き、神託を願います。
すると、巨大な怪物を思わせる影が神殿内を覆い、さらに恐ろしい声で神託がありました。

「プシュケを山の頂きに連れて行き、そこにおいていきなさい」

神託は絶対です。
あの恐ろしい声の主が迎えに来る、と知った両親は悲しみながらも、プシュケーに花嫁衣装を着せ、山に連れていくとプシュケを残して去りました。

 

エロスとプシュケの新婚生活
一人になるとプシュケは悲嘆にくれましたが、いよいよ日暮れです。
すると風神・ゼフィロスが表れ、プシュケを美しい森に連れて行きました。
その森には立派な宮殿と澄んだ泉がありました。
プシュケーがその宮殿に入っていくと、声だけの召使いが給仕をはじめました。

「お后様。ここにあるものはすべてあなたのものです。そして私たちはあなたの召使いです。何なりとお申し付けください。お好きな時に、お食事と湯浴みをなさってください」

プシュケは湯浴みのあと、おいしい夕食を食べ、その日は床につきました。
突然現れた立派な宮殿、顔を見せない給仕たち。
プシュケはそれを不思議に思いながらも、疲れから眠りにつきます。
すると、誰かが寝室に入ってきました。
驚くほど優しい声がプシュケに話しかけます。

「私はお前の夫です。しかし、絶対に私を見てはいけない」

顔も名前も明かさない、宮殿の主にして夫。
それから彼は日中は決して姿を見せず、夜ごとプシュケのもとに通ってきては愛ある言葉をかけていきます。
プシュケは顔を見せて欲しい、そう願うものの、彼はそれを断ります。
「顔や肩書が何だというのか。お前には私の愛と心だけを信じて欲しい」
やがてプシュケもその願いを忘れるほど、夫との新婚生活に幸福を感じていきました。

 

プシュケのふたりの姉
穏やかで安心感と幸福感に満ちた新婚生活。
プシュケは両親やふたりの姉のことを思い出しました。
あのような別れ方をしたのですから、心配しているに違いない。
そんな時、姉たちが様子を見に来ると便りを出してきました。
プシュケはそのことをエロスに伝えると、エロスはいぶかしみながらも受け入れます。
そしてゼフィロスがふたりの姉を宮殿に連れてきました。
ふたりはその立派な宮殿に驚き、嫉妬しました。
また、中に入るとその立派な家具や調度品。さらに、目に見えない召使いのこまごまとしたもてなし。

(なぜ妹がこんな良い暮らしを?)

二人の姉はそうとは顔に出さないままプシュケにたずねます。
「お前の旦那様は何をしているの?」
「昼間は狩りに出ています。それ以外は知りません」
「知らないって、どういうこと?」
「夜にしか会えませんから。でも、とても優しくしてくれます」
「夜にしか会えないってどういうことなの?おかしな人じゃないでしょうね」
「わかりません」
いよいよプシュケは顔もみたことがない、と言ってしまいます。
「神殿に現れた怪物に違いないわ。お前を太らせてから、食べてしまうつもりよ」
「今夜、ナイフと明かりを用意して、確かめた方がいい」
「怪物だったら、その首を切るのよ!」

 

愚かなプシュケ
姉たちが帰った後、プシュケは姉たちの言葉にだんだん不安を募らせます。
その夜、オイルランプとナイフを持って寝室に入りました。
夫の寝息が聞こえてくると、プシュケはランプを掲げて、夫を見ました。
そこにいたのはエロス神その人。
あまりに神々しい美しさに、プシュケは驚いて彼の矢で自分を刺し、恋に落ちてしまう。
しかしその時、ランプからオイルをこぼしてしまいました。
エロスの肩は火傷し、エロスは傷ついた顔で言います。

「愚かなプシュケ。愛は疑いと一緒にはいられない」

と飛び去ったのです。
同時に宮殿も消え去り、プシュケは慌てて彼の後を追おうとしましたが、翼ある神の後を追うにも敵いません。

――この時、二人の姉はこんなことを考えていたとかいないとか(諸説あり)
(私がエロス神の后になれるかもしれない)
次の日に別々に山に登っていき、ゼフィロスに向かい叫びました。
「私をエロス様のところに連れていって」
と、崖から身を投げ出しました。
しかし、ゼフィロスが現れることはありません。ふたりとも、崖から落ちて死んでしまいました。

 

アフロディーテの試練
(どんなおとがめも覚悟しよう。エロスに謝らなくては)
プシュケは意を決して、エロスの母アフロディーテの神殿に行きました。

「何でもいたします、どうか彼に会わせて下さい」
「お前のせいで息子は傷を負い、まだ回復しない。お前が本当に息子にふさわしいか、お前の仕事ぶりを見てから判断する」

女神アフロディーテはプシュケにパンくずをぶつけ、達成不可能な試練を与えます。
プシュケの4つの試練の始まりです。

第1の試練。
神殿の穀物倉にて、小麦、大麦、えんどう豆などが、まじったまま山と積まれていました。
「それぞれを選り分けて、夕方までにそれぞれの山にしておくように」
プシュケはどうして良いか分からず、ただぼう然としました。何とか手を動かし始めますが、とても夕方には終わりません。
そんなプシュケのため、エロスはこっそり友人であるアリの王とその家来にその仕事を手伝わせました。
帰ってきた女神アフロディーテは怒りました。
「これは、息子が手伝ったわね。仕事の手伝いをさせるなんて!」

第2の試練。
獰猛な羊の毛がり。
「あの森の水辺にいる羊の毛を取ってきなさい」
その羊は獰猛で、時には人を食い殺すことさえあります。
しかしプシュケは川岸に向かいました。
すると、葦の精霊が現れ助言します。
「陽の登っていく朝、羊たちはとても凶暴なので、群れに近づいてはいけない。午後になると羊たちは木陰で休み、私たちが羊の心をなだめ眠らせるので、藪や枝にからまった羊毛を拾い集めるとよいでしょう」
プシュケが羊毛を持っていくと、女神アフロディーテは言いました。
「これもお前一人でやったことではない。お前を認めるわけにはいかない」

第3の試練。
「命の泉から水をくむように」
水晶の杯で三途の川の水を汲むように命じられました。水晶の杯では水がどれほど入ったかわかりません。
取り過ぎれば溢れてしまう水。
ここでもエロスの友人であるワシに助けられます。

第4の試練。
「冥界の女王ペルセフォネから美の秘密を封じた化粧箱(壺)をもらってくること」
生きたまま冥界にはいけない――プシュケはついに死を覚悟しました。
死を決め、塔を登っていくと塔にいた精霊が語りかけます。
「かわいそうな娘よ、まだ若いのになにゆえそのようなことを?」
プシュケはアフロディーテに命じられたことをするため、と答えました。
すると塔の精霊は生きたまま冥界に行く術を彼女に教えます。
さらには冥界の番犬ケルベロスの脇を通り抜ける方法、冥界の河の渡し守カロンの説きふせ方も教えてくれました。

 

眠りの呪いと本当の最後の試練
死者たちの悲嘆の声にプシュケは憐みを感じながらも先へ進みます。
ペルセフォネはプシュケの話を聞くと、彼女を労わり、快く美の秘密を封じた化粧箱を与えました。
そして冥界の試練が終わり、水場に出ます。
そこにうつった自分の姿は、以前の見る影もありません。
ひどくやつれ、艶めいていた髪や肌はぼろぼろに。
(これでエロスに会えたとして、彼にもう一度振り向いてもらえるだろうか?せっかくなら、美しい姿で彼に会いたい。私はこんなに頑張ったのだから、少しくらい……)
それに、箱の中身も気になる。
好奇心と欲望に負け、プシュケは化粧箱を開けてしまった。
実はアフロディーテへの嫌がらせを考えていたペルセフォネ。(この女神たちは仲が悪い)
箱を開けた途端にアフロディーテを永遠に眠らせてやろう、と眠りの呪いを化粧箱に施していたのです。
プシュケは死んだように倒れてしまいました。

 

火傷からは回復していたエロス。
しかし母アフロディーテは彼が神殿から出ることを良しとしませんでした。
そこにプシュケのことを友人である鳥から知らされ、アフロディーテの制止を振り切り窓から飛び立っていきます。
ようやくプシュケを発見したエロス。
彼女が生きているか矢でつついて確認し、ペルセフォネの呪いにかかっただけだと知ると呪いを解く為にキスをします。

途端目を覚ますプシュケ。
二人はようやく再会しました。
エロスは彼女を連れ、神々の住まうオリンポスへ。

 

エロスとプシュケの結婚
エロスはゼウスに二人の結婚をお願いに行きました。
ゼウスはこれを受け入れ、アフロディーテを説き伏せます。
アフロディーテもプシュケのひたむきさを認め、結婚を祝いました。
ゼウスはプシュケに神々の飲み物であるアンブロシアを飲ませ、彼女を不死にし、神々の仲間にしました。
ここでめでたく、二人は永遠の夫婦になったのです。

そして二人の間には喜びという名を持つ娘が誕生。
またプシュケは女神としては蝶の姿、あるいは蝶の翅をもつ女性として描かれます。
(サ〇ゼリヤの子供二人の絵。天使のようなキスをしている男の子がエロス、キスされてる女の子がプシュケ。よく見たら女の子の背中には蝶の翅が生えている)
蝶は神話などではよく「魂」の表現として描かれる。蛹から脱皮し、空を飛ぶからかな?
おそらくプシュケは死を迎えたんだろうけど、魂が蝶になってエロスとともにオリンポスへ行ったということは……
仏教でいう「解脱」したということなのかな。
詳しく知らなくて申し訳ない。

 

というのがエロスのプシュケの物語です。
美女と野獣の原典とも言われていますが、エロスとプシュケが自分の内面の成長を描いているのに対し、美女と野獣は互いの内面に美を見出すのがテーマ。
というわけで、単純な原典とも言い切れない感じですね。
しかし呪われ、魔法のキスで目覚める、というおとぎ話あるあるのこの描写はこのエロスとプシュケから来ているのでしょう。

こちらも合わせてどうぞ→ギリシャ神話「エロスとプシュケ」勝手に考察。

 

 

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