「夫は育てるもの」って本当? “ジャイアントベイビー”を生まないための結婚ガイド

結婚を考えている、あるいは新婚で将来に備えたい。
そんなあなたに、ぜひ一度考えてみてほしいテーマがあります。

それは――
「夫は育てるもの」なのか?

これは決して、「夫の人格を変えよう」とか、「ダメな男を選んだあなたが悪い」という話ではありません。
もっと現実的な、“家の中でのふるまい”についての話です。

「育てる」とは、“家庭力”のチューニングのこと

  • 「彼はできないから代わりにやってあげる」
  • 「彼に頼むより自分がやった方が早い」

――そんなふうに新婚期を過ごしていると、いつの間にか夫は家の中で“ジャイアントベイビー”になってしまうことがあります。

その状態が5年、10年と続けば、もう「どうにもできない」存在に。
面倒見がいい妻ほど、この罠にハマりやすいのです。

「女房の手のひらで転がされるくらいが丁度いい」

昔から日本には、そんな言葉があります。
あの孫悟空が、お釈迦様の手のひらから逃れられなかったように――
夫が自由に動いているようで、実は妻の掌の上にいる。
そんな関係性が、案外いちばんうまく回るのかもしれません。

ポイントは、妻が“へりくだらない”こと。
「お願いします」ではなく、「一緒にやろう」「こうしてね」と対等に話す姿勢。
精神的には“家のことに関しては私は先輩”くらいの意識でいるとちょうどいいでしょう。

そういったことからか、日本にはこんなことわざもあります。
「年上の女房は金のわらじを履いてでも探せ」
ここでの「金」は、お金ではなく金属の“金”
普通のわらじより長持ちします。それほどの労力をかけてでも、中身のある人生経験を持った女性は“妻にする価値がある”とされてきたのです。

女性側も「年下だから導こう」と自然に思えるので、相性が良いのかもしれません。

「教育係」ではなく「パートナー」のスタンスで

「育てる」という言葉がしっくりこないなら、

  • 「慣れさせる」
  • 「一緒に覚える」
  • 「自立を促す」

でもいいのです。

たとえばこんなスタンスで:

  • 家の大切なことをシェアするのは夫婦として当たり前。得意不得意を調整していこう

  • 「知らない」「できない」は、やらない理由にはならない

  • 夫が失敗した時も、「だから言ったでしょ」ではなく、「誰でも最初はそうだよ」で受け止める

  • 上手く出来た時は「頼りになるよ」と前向きな言葉をかける。

なぜ「家庭内パートナーシップ」が必要なのか?

では、なぜこれが必要なのでしょう?
なぜ「家事をやらない夫」が生まれてしまうのでしょうか?

  • 結婚初期に「できないから仕方ない」と代わりにやってしまう

  • 「任せた方が早い」と我慢してしまう

  • 結果、数年後には“やらなくて当たり前”の空気ができてしまう

このとき、面倒見のいい妻が落ちる落とし穴があります。

  • 優しさと引き換えに、妻の負担だけが増えていく

  • 夫が“ジャイアントベイビー化”していくリスク

  • 夫は家庭内だけでなく、社会でも“誰かがやってくれる”思考になる

実家で見た“ジャイアントベイビー化”の現実

私の母は典型的な“世話焼きタイプ”の人でした。
でも実はけっこう面倒くさがりで、父が「できない」と言うと、
「もういい、私がやる」とサクッとやってしまうタイプでもありました。

最初は「その方が早いし、ストレスも少ない」と思っていたようです。
でも結果的に、父は“やらない人”から“できない人”に、さらに“何かあるとすぐキレる人”になってしまった。

家の中で「できること」が減ると、人は自分への自信をなくします。
その焦りや無力感が、怒りとして表に出てしまうこともあるのです。

最後に:一緒に歩くために、手綱は握っていていい

夫婦は対等でありながら、時に誰かが“引っ張る”瞬間も必要です。
だから、堂々と手綱を握っていてください。

それは支配ではなく、
「共に進むための力の出し方」。

あなたが“家庭のリーダー”として在ることで、
夫も自然と“パートナーとしての自覚”を育てていくのです。

💡このテーマは、決して男性を責めるものではありません。

むしろ、「少しずつでもできることが増える」ことは、男性自身の自信にもつながるのです。
だからこそ、夫婦の最初のフェーズで、
“対等な関係を育てる”準備をしていきましょう。