愛のルールブック:恋愛において最もやってはいけないこと
恋愛において、これだけは絶対にやってはいけない――。
それは、「自分を偽り、相手の好みに合わせること」です。
なぜ私たちは相手に合わせてしまうのでしょうか?
おそらくその根底には、自己肯定感の低さや、自分を愛する力の弱さがあるのかもしれません。
- 「見捨てられたくない」
- 「嫌われたくない」
という気持ちから、無意識のうちに相手に合わせ、自分をすり減らしてしまう。
それが“恋愛”だと錯覚してしまうのです。
けれど、自分を裏切ってまで相手に合わせる関係は、もはや愛ではなく依存です。
そしてその依存は、いずれ自分を深く傷つけていきます。
だからこそ、自分軸を持つための最初の一歩が必要です。
それは大きなことではなく、たった一つでいい。
- 「これは自分にもできる」
- 「自分自身のここは好きかも」
- 「私は無条件に愛されていい存在だし、私は私を愛している」
――そうやって、自分の中にあるたった一つで良いから“肯定できる何か”を見つけること。
これはいつか、自然と増えていきます。だから今は一つで良いのです。
もしかしたら、それはあまりにも自然で、当たり前になりすぎていて、自分では気づけていないだけかもしれません。
でも、その気づきが、あなた自身の軸になり、恋愛においてもブレない力になります。
当然ながらこれは「自己中心的になる」のでも、「身勝手を許す」というわけでもありません。
不思議な事に、自分に対する自信や愛情や感謝を出来ない人ほど、身勝手で自己中心的な暴君になることがあります。
自分を愛せるということは、自分で自分を満たせるということです。だから他人に横暴なふるまいをしない人になっていけるのです。
ありがたくも情報社会?
今の時代、SNSや動画サイトには「男が好む女性の特徴」や「モテる女の条件」といった情報があふれています。
たとえば、「男に追わせる女がいい」とか、「他にも男がいそうな女は魅力的」とか、「外見に気を配ること」「努力し続けていること」「時には素直に従うこと」などなど――。
でも、はっきり言って、そういった“理想の女性像”に合わせることには意味がありません。
なぜなら、そうした理想を語る男性は、多くの場合、自分の中にある“理想の女性像”に恋をしているだけだからです。
つまり、“目の前のあなた”ではなく、“頭の中の妄想”を愛している。
これはある種のナルシシズムです。そしてその理想像に、自分自身が本当にふさわしい男なのか? という自覚も、正直怪しいものです。
「俺の好みに合わせてほしい」と言う人、あるいは「彼の好みに合わせなきゃ」と思ってしまう人――
それは、他人に対する敬意が欠けているか、あるいは裏切られることへの強い恐れを抱いているだけかもしれません。
たとえあなたが“彼の理想通りの女性”になれたとして、彼から可愛がられることはあるかもしれません。
でも、それを「愛されている」と心から感じられるでしょうか?
偽ったあなたを彼が選んでいるとしたら――その虚しさは、きっとあなたを少しずつ蝕んでいきます。
人間関係には相性やバランスがあります。
華やかな女性を好む男性もいれば、複数の恋人を持つ女性を受け入れられる男性もいます。
周囲からは「地味だ」と言われる女性を深く愛する男性だってちゃんといます。
また、気をつけたいのは、「努力している女性が好き」と言う男性。
この言葉に一見すると優しさを感じるかもしれませんが、裏を返せば「努力をしている限りは愛する」という“条件付きの愛”です。
そして、そう言う人は、女性の努力の本質や痛みを理解していない可能性があります。
女性の努力や痛みは概して表に現れにくいのです。
何より人が人を愛するとき、本来そこに条件などないものです。
そもそも、男性は結局、いろんなタイプの女性が好きなのです。
どんな女性でも、何かしら「魅力がある」と感じた瞬間、理想なんて吹き飛びます。
外見も実はまったくの無差別。髪型、年齢、雰囲気――本当に関係ないことが多いです。
「ショートヘアが好き」と言った男性が、ロングヘアの女性に夢中になることはよくある話。
「俺好みに合わせようとする女は“可愛い”」
と感じるかもしれませんが、
「だから“愛している”」とは限らないのです。
さらに気をつけたいのは、世間が生み出した理想に縛られて“遊べない男性”です。
「こうあるべき女性像」にばかり従ってしまう人は、自分自身の中にも強い不安を抱えている可能性があります。
世間体や人間関係に縛られ、自分の感情に素直に生きられない――そういう人と一緒にいることで、あなた自身が不自由を感じるなら、それは見直すべきサインです。
ただ、そういう人と一緒にいて幸せなら、何も問題ありません。空間は二人で作っていくものですから。
理想や好みなんて吹っ飛ぶほどの……
一方で、タイプや外見を超えて、その人からにじみ出る人間性に心を奪われる――そんな恋愛もあります。
それは「興味」ではなく「のめり込み」。
理屈ではなく、本能的に惹かれてしまう関係です。
だからこそ「男にとっては、すべての女性が“魔性”になりうる」のです。
恋愛において最もやってはいけないのは、自分を偽ること。
誰かの好みに寄せて生きるのではなく、自分自身として誰かに愛されること。
それが、恋愛における本当の幸せへの一歩だと、私は信じています。
……とはいえ、これはあくまでも私自身の経験と考えに基づいたものです。
恋愛に正解はありません。
ただ、「好かれるための誰か」になるのではなく、「愛されるべきあなた自身」でいること。
それがあなたにとっての素敵な人とめぐり合わせてくれる、現代でも使える魔法なのではないでしょうか。