小説 続・うそとまことと

第14話 再会の夜(官能シーンあり)

 シングルベッドの部屋は狭く、二人のコートやマフラー、セーターやニットワンピースが足もとに散らばっていた。
 二人はベッドで膝立ちのまま向き合う。
 都筑は琴のタートルネックを脱がせ、琴も都筑のシャツのボタンを一つ一つ外していく。
 その間にも何度となく音を立てて口づけ合い、肩がむき出しになると琴は寒さに震えた。
「暖房つけようか」
「うん」
 都筑はリモコンを操作するためベッドから降り、ボタンを外したシャツを脱ぐと申し訳程度の椅子にかけた。
 琴は待ちきれなくなって、ベッドから降りてストッキングを脱いで下着姿になると、都筑の背中に抱きつく。都筑がくつくつと笑った。
「デジャブだな」
「うん」
 都筑はへそのあたりで組まれた琴の両手を包み、それを解かせると振り返り、素肌の背中に手のひらを添える。
 彼の冷えた手のひらは互いの体温ですぐに暖かくなり、琴はそれに撫でられると心地よさに目を閉じた。
 そのまま胸元に顔を寄せ、ぎゅっと抱きついてたくましい肩に手を伸ばす。
 都筑の左肩にある傷痕。
 固くなったそこを指でなぞると、都筑は肩を動かした。
「痛かった?」
「いや……くすぐったくて」
 都筑はそう言うと笑って、「本当だって。嘘はついてない」と付け加えて、いたずらしようとする琴の手を取った。
琴は都筑の首に手を回す格好になり、目が合うと目尻を下げて微笑む。
 都筑の手が腰に伸び、身を寄せ合うとどちらからともなくキスをする。
 唇を合わせるだけのものから、徐々に角度を変えて深く。
 キスしたまま琴は都筑に体を持ち上げられ、首にしっかり掴まると懐かしい都筑の匂いを存分に味わう。
 汗と、どこか樹に似た硬質的な匂い。
 ほのかに甘い匂いにくらくらする。
 ばふっ、と音を立ててベッドに押し倒される。
 髪の毛が枕に散らばり、都筑はその一房を手に取ると、鼻先に当てて、口づける。
「変わらないな……」
「シャンプーはこっちのですよ」
「ああ。でも、そうだな……感触が君のだ」
 するん、と都筑の手から流れる髪を見つめ、都筑に視線を戻す。
 都筑の情欲に濃くなった瞳、柔らかい目元、それを縁取るまつげ。
 琴は都筑の頬を両手で包み、親指で唇をなぞる。
 見え隠れする歯に、赤い舌。
 目と口元を見つめていると、視界がきらきらし始めた。
 都筑の節だった指が、琴の目尻をぬぐう。
「泣いてた? 私……」
「ああ……ずっと泣いてたんだよな、一人で……ごめん」
 都筑の言葉に琴はいよいよ視界が潤むのを感じた。甘えるように都筑の首に手を伸ばして肩ごと抱きしめる。
 都筑の手が髪を撫で、頭を包み、額に頬に耳に、とちゅう、と口づけが落とされる。
 それが嬉しくなって「えへへ」と笑うと、都筑の肩から力が抜けた。
「君はそうやって、ごまかそうとするけど」
「うん?」
「それが寂しく思う時もあるんだよ」
「……だったらお互い様かな」
「そうか?」
「うん」
「……そうか」
 都筑はようやく顔をあげ、琴と目を合わせると唇を合わせた。
 ちゅっと音がして離れ、琴は物足りなくなって唇を尖らせた。
「もう一回」
 都筑は目を丸くしたが、琴のお願いに応える。
「……もう一回」
 琴は更におねだりし、都筑はふっと笑うと角度を変えて深く口づける。
 熱い都筑の舌が歯列をなめ、口内に入ってくる。
 唾液がからまって、舌が絡むとちゅくちゅくと音がなった。
 都筑が琴の舌を吸って、ようやく解放する。
 頭まで一気に熱が昇ってきた琴は視界をぼんやりさせた。
「もう一回?」
 と、都筑がからかうような声音で聞いてくる。
 琴は思わず笑って、都筑の肩から胸元を撫でるようにすると首を横にふった。
「続きがしたい」
「良かった。俺もだ」
 都筑は琴の首筋に顔を埋め、匂いを確認するように耳元で息をしていた。
 大きな手が首を、肩を撫でる。
 都筑の確かな温かさに体が震え、視界がぼうっとしてきた。
「まだ寒いか?」
「ううん……」
 琴は首を横にふり、都筑の胸元から肩を撫で、首に腕を回して抱きしめる。
 脈動を直接感じ、深く息をすると熱いくらいに体温があがる。
「すごく暖かい」
 琴がそう言うと、都筑はふっと笑って彼女の右耳の耳たぶを唇でとらえた。
「んんっ」
「可愛い声……」
 都筑は琴の頭を抱えるようにして逃げられないようにすると、耳の軟骨から薄い皮膚までじっとりと舌でなぞり始めた。
 琴は腰がびくびくするのを止めようと、膝を立てて踵に力を込める。
「ん……っ! や、待ってっ……」
「待てない」
 情欲をたっぷり滲ませた、吐息混じりの声を耳に注ぎ込まれ、琴は脳までしびれるような感覚を味わう。
 耳の輪郭を甘く噛まれ、舌で舐められるときつく吸われる。
 琴はそれだけで目尻に涙を浮かべ、息を詰まらせた。
 熱い舌で耳をかき混ぜられると、腰がびくびく震えだし、喉の奥がくっと震え出す。
「んんっ……! あぅっ……」
 たまらず声が出て、琴は頭のてっぺんまで熱くした。
 都筑の歯でなぞられ、ぬるついた舌で好きにねぶられる。琴は腰が抜けそうになり、たまらず都筑の胸を叩いた。
「もうだめ……っ!」
 蚊の鳴くような声でそう言うと、都筑は琴の背に手を回し、ぎゅっと抱きしめて彼女を封じ込めてしまう。
「んん~っ……!」
「イキそう?」
 都筑が熱を注ぐように囁きかけ、琴の脚がびくりと震える。
「やだっ」
「そのままイクんだ」
 ちゅうっ、と耳の付け根まで丹念に責められ、琴は全身を強ばらせる。
 都筑の手が髪をかきあげ、真っ赤になった熱い琴の耳をむき出しにする。
 指先で耳の産毛に触れられ、舌でじゅるじゅると余すところなく愛撫されると、琴はしびれるような感覚に意識を任せた。
「んんっ……んぅっ」
 涙が浮かんでくると同時に腰が跳ね、すがるようにして都筑の背中に両手を回す。
 鼓膜まで犯されるような感覚に目をぎゅっと閉じ、都筑がじっとりと耳を舐めた瞬間「あぁっ!」と高い声が出て、腰が弾けるような快楽につま先までひくひくと震えた。
「あっ……」
 喉が震え、不器用に息をすると体が勝手に震え出す。
 長く得られなかった快楽に、体がじわじわと喜んでいるのだけがわかった。
 都筑が身を起こし、琴を見下ろすようにすると口を開いた。
 そっと頬を撫でられ、琴は目を開ける。
 わずかに目を見開いた都筑の顔が見えた。
「……本当にイけたな」
「……みたい……」
 琴はぼうっとする意識の中、お尻がひんやりするのに気づいて体を起こした。
「……もう。やだなぁ……」
 着替え持ってきてないのに、と琴は付け足し、両手で秘部を隠す。
「見せてくれないのか」
「恥ずかしいもん」
「なるほど? ならそのままで」
「えっ?」
 都筑は琴を壁際まで追い詰めると、ベッドに手をついて無遠慮に唇を重ねる。
「ん、む……」
 琴が両手を挙げないのを良いことに、都筑は緩い拘束で易々と琴の唇を味わった。
 唇を舐めては吸って、を繰り返す。
 琴はじれったくなって目を閉じて薄く口を開き、待ったが、都筑からの口づけはもらえなかった。
「普さん……?」
「もっとしたい?」
 目を開けてみれば、都筑はどこか余裕綽々で楽しげだ。
 琴は唇が腫れるような感覚に急かされ、素直に頷く。
「ならどうすれば良いか、わかるか?」
「……えーと……」
 都筑の言葉に琴は首を傾げた。
 だが体は耳から得た快楽で火がつき、まだ足りない、と琴を急かしている。
「わからないです……」
「したいなら、すればいい」
 都筑の言いたい事を理解し、琴は頬を熱くした。
「わ、わ、私から」
 つっかえつっかえ話すと、都筑は頬を緩ませて笑った。
「そう。嫌なら良いけど。俺は早く続きがしたいし」
 都筑はそういたずらっぽく言うと、琴の太ももを撫でる。
 それがぞくぞくと背筋に昇り、琴は突き動かされたように都筑の肩に手を置くと、膝立ちになって唇を寄せた。
 唇を触れあわせるだけのキス。
 しかし琴は心臓が飛び出すのでは、と思うほど強くうつのを感じた。
 息すら苦しいのに、どうしてもやめられない。
 唇を開いて、都筑の唇を食むようにする。
 それはじんわりと温かく、しっかりと弾力があって、湿っている。
 琴からキスするのは数えるほどだ。
 だがいずれも都筑がすぐに反応し、あっさりとひっくり返されてしまうため、味わうようにするのは初めてである。
 喉がひりつくように渇き、水分を求めるようにして都筑の口内に舌を忍び込ませる。
 都筑が琴の腰を抱いた。
「ん……」
 と、都筑が上擦った声をもらし、琴は下腹部に熱を生じさせる。
 都筑の舌に触れると熱く、驚いて舌を引っ込めようとすると都筑がそれを絡め取ってしまった。
 ちゅっ、ちゅっ、と唾液を絡める音がして、琴は腰を揺らすと再び唇を深く重ねる。
 喉を鳴らして都筑の唾を飲み込み、ようやく唇を離すと、酸素を求めて胸元が大きく上下した。
「やらしい顔だな」
「普さんこそ……」
 瞳孔をすっかり広げた都筑はふっと笑うと、琴のぽってりふくれた唇に指を滑らせる。
 都筑の触れた部分からじんとする唇の感触に、うっとりと目を閉じると、琴は自身の背中に手を伸ばしてブラのホックを外した。
 ふっと肩が軽くなり、解放された乳房が外気に触れて思わず吐息がもれる。
 都筑はそれを見ていたが、琴の顔に視線を戻すと、リップもはげた赤い唇に指を侵入させた。
「う、ん……」
 上擦った甘い声をもらしながら、琴は都筑の手を取り、その指を咥えた。
 彼の指の腹、関節に、舌を絡ませじゅうっ、と吸い上げる。
 都筑が眉をよせ、息を荒げた。
「く……すごいな、今日……」
「……これ、気持ちいい?」
 琴は都筑の声に顔をあげた。指と唇にねっとりと唾液の橋がかかり、垂れて琴の顎を濡らす。
 都筑は息を吐き出すと、頷いた。
「ああ、良いよ……」
「じゃあ……」
「ちょっと、待った……っ」
 琴が再び指を咥えようとすると、都筑が制した。都筑はそのまま琴の顎に手をやって、唇ごと口に含むと彼女の体を抱きしめる。
「んん」
 琴が震えるようにして甘酸っぱい声を出す。
 都筑は枕を二つ重ね、琴の体をそこに沈ませた。
 唇が離れ、都筑が上半身を起こすと琴は頼りなげに自身の腕を抱きしめる。
「……今日はダメだ……琴」
「えっ?」
 何がダメなのか、と琴は不安になった。
 体の中心は疼いて、じくじくと熱い。
都筑に放り出されたらとても眠れそうにない、とわかる。
 琴が目を見開いて都筑を見つめていると、都筑は何度も呼吸を整え、やがてベルトのバックルを外し始める。
 カチャカチャ、と鳴る金属音にもすら体が反応してしまい、琴は戸惑いながらも都筑を見つめていた。
「普さん?」
「悪い。今日は……覚悟してくれ」
「な、なんの?」
 都筑の様子に不安になっていると、都筑は琴に覆い被さって赤くなった耳に食いついた。
「今夜中、君を離せない」
「え……あっ!」
 都筑は琴の白い左胸に顔を寄せ、まだふにふにと柔らかい乳首をきつく吸い上げた。
 突然のはっきりとした快楽に琴は体を強ばらせ、背中を仰け反らせる。
 きゅう、と一気に固くなった乳首を都筑は舌でとらえ、つついては唇でやわやわと包む。
「んん……っ! あっ」
 ちゅうっ、と吸われて離されると、じんとした鋭い感覚が残り、ショーツの中で熱くなる粒が同時に震える。
 太ももをすり寄せ、腰をくねらせては熱を逃がそうと試み、その度にすっかり熱くなった都筑のモノに触れて頭まで沸騰したかのように全身が熱くなる。
 都筑は琴の両胸を包んで、寄せるようにするとそこに鼻先を埋める。
 すうっ、と強く鼻を動かされ、琴は肩を跳ねさせた。
「君の匂いだ」
 都筑はそう呟き、こりこりと固くなった乳首をこね回す。
「あっ……!」
「可愛い」
 都筑は乳房の柔らかさを楽しむように揉み、琴も顔を見て右の乳首に舌を這わせた。
 熱い舌でじっくり舐められ、琴は手を口元に持っていって、指を噛んだ。
「噛むな。傷になる」
「だって……っ」
 琴はこらえきれずに脚をばたつかせ、都筑から逃れようとした。
 頭がぐらつくほどの快楽。
 まだ足りないと熱を欲する体。
 早く都筑と繋がりたいと思う一方、意識が飛んでしまいそうな恐怖感があった。
 都筑は乳房に口づけ、赤く腫れたような乳首を吸っては舌で弄ぶ。
 じんじんと芯まで溶けそうな感覚に襲われ、その度に蜜口からこぽこぽと蜜が溢れていくのだ。
「あぁっ……!」
 ねだるような声が溢れ、それと同時に涙が目尻に流れていく。
 都筑は琴の両腕を取り、枕を掴ませるとその脇を撫でた。
「やぁ……あぅっ」
 琴は体をくねらせ、両脚で都筑の脚を絡める。
 都筑は息を荒げて、モノを内ももにぐい、と押しつけた。
都筑の昂ぶりが伝わり、子宮がきゅんと疼く。
「あん……っ、固いっ……」
「固い? 俺の?」
 都筑の問いに琴は何度も頷く。
「固い……っ」
 琴がうっすらと目を開けると、熱い涙がこぼれて耳を濡らした。
 都筑は琴の涙を舌で拭い、半開きの唇を吸うと首筋に顔を埋めた。
 都筑の熱くなった手のひらで耳から首を撫でられると、その緩い愛撫に体がたまらず産毛を立てる。
「はあ……あ……」
「これ……つけてたんだな」
「どれ……?」
 都筑は指先で鎖骨をなぞり、小さなダイヤモンドをすくいあげる。
 琴は息も絶え絶えにそれを見つめた。
「うん……好きだもん」
「これが?」
 都筑はシルバーのチェーンをなぞって、琴の首をそっと撫でる。
 琴はそれにも反応し、肩と腰を震わせると首を横にふった。
「これもだけど……普さんが好きだから……」
 胸を激しく上下させ答える琴に、都筑はふっと口角をあげた。
「俺が好き、か」
「好き……」
 琴はぼうっとし始める中、都筑の首に手を伸ばし、甘えるようにして引き寄せる。
 都筑の顔が近づき、先ほど言われたように、したくなったキスをする。
「んん……」
 ちゅくちゅく音をたてて舌を絡ませ、都筑から与えられた唾を飲む。
 都筑の離れてゆく気配に、琴はだめ、と言った。
「もっと近くいて……」
「もっと?」
「もっと……」
 都筑は琴のねだるままに体をすりよせ、細い肩に手を回してぴったりと胸をはりつける。
「あっ」
 汗で肌が張り付く感覚に、琴は甘い声をもらした。
 都筑の鼓動が伝わり、それだけで全身が性感帯になったかのように感じてしまう。
 もぞもぞと脚を動かせば都筑のモノにぶつかり、体の奥が嬉しそうに反応した。
「普さん……もっと……」
「もっと、か?」
「もっと一緒にいて……」
 琴の言葉に都筑が目を見開く。
 琴は都筑の背中に手を伸ばし、ぎゅっと抱きついた。
「もっと一緒が良い……」
 消え入りそうな声しか出ず、琴は喉を震わせると都筑の首筋に口づけた。どくどくと血の流れる感触が舌に伝わり、琴はそれにひどく安心感を得る。
 都筑が琴の頭を抱え、髪をきゅっと掴むようにすると口づけを浴びせた。
「ああ。もっと一緒にいよう」
「ほんと……?」
「約束する。……それに、俺が死んだら化けて出てやる」
 都筑の冗談交じりの声に琴は目を開ける。
 視界は潤んで都筑の顔すら見えなかったが、きっと彼はいつものように目元を和らげて琴を見つめているのだろう。
 琴はぽろぽろと大粒の涙を流し、頷いた。
「絶対、出てね」
「ああ……ずっと守ってやるから、安心しろ」
 都筑はそう言うと琴に口づけ、そっと上半身を持ち上げると右手を琴の体にそわせた。
「ひゃっ」
 と、くすぐったさに声を上げ、思わず腰を惹いてしまうが都筑がそれを留めてしまう。
 都筑の手はそのままなだらかな下腹を探り、ショーツの上から熱い蜜口に触れた。
 とたん、熱くしびれるような感覚に襲われ、琴は体を強ばらせて背中を枕から浮かせた。
「……うぅんっ」
 都筑はその背中に手を入れ、彼女を支えるようにして引き寄せた。琴の細い肩を甘く噛んで、じゅるっと音を立ててなぞる。
 すっかり熱くなった蜜口に、都筑の指先がショーツ毎食い込んでくる。つぷっ、と音をたてて濃い蜜が垂れていく。
 琴は再び息を荒くし、胸を上下させながら都筑の背に手を伸ばした。
「んん……っ! あぁ……!」
 都筑の背に縋りつきながら、琴は腰を揺らした。
 快楽が強いのもあるが、決定的なそれはまだない。
 粒が自身の蜜で濡れ、ぴくん、と反応するがまだ触れられていないのだ。
 ゆるゆると花びらを撫でられるだけ。じわじわと温い快楽はあるが、このままでは熱を逃がせそうにない。早く粒に触れて欲しい、そう体が懇願している。
「普さっ……!」
「我慢して」
「やぁ……っ、意地悪……!」
 顔を歪め、上擦った声でそう言う事に、都筑はなだめるつもりはなく赤くなった右耳をたっぷりと愛撫した。
「……ああっ!」
 腰からびくびくと快感が昇り、琴はそれを止める術を知らず体を小刻みに震わせた。
 ひくっ、と粒が震え、絶頂したらしいのを知ると、琴は枕に身を沈めて息を整えた。
 汗がじんわりと全身に浮かび、ゆっくりと目を開けると都筑が目元を赤くして琴を見ていた。
「見ないで……っ」
 琴は恥ずかしさのあまり腕で顔を隠す。
 都筑はその腕ごと琴を抱きしめ、肘にも手首にも見える所全てに施すかのようにキスをした。
「あぅっ……」
「顔も、見せてくれないのか」
「やだ……普さん意地悪だもん……」
 涙をごまかすよう、琴は目尻をこすって唇を尖らせた。
 腕で隠したものの、都筑がふふっと笑ったのが聞こえてくる。思わず腕から目を覗かせた。
「……?」
「よくわかった」
「な、何が……?」
「君が俺を本気で好きだってことが」
 都筑の穏やかな笑みに琴は胸をきゅんとさせた。
 だがなんとなく素直になれず、視線をそらすと小声で言う。
「違うもの」
 都筑は目を丸くした。
「じゃあ嫌いか?」
「教えない」
「素直じゃないな」
「意地悪な人に素直になれません」
「そうか……残念だな。答えが知りたいんだけど、どうすればいい?」
「……」
 都筑は琴の体を包み込むようにし、肩に身をすり寄せる。
 じわじわと体温が伝わり、琴は体がほどける感じがした。
 ちら、と都筑を見れば、くつろいだ表情で琴を見つめていた。
 いつぶりかに見る彼のその表情に、琴はまた目頭が熱くなるのを感じる。
「もっとぎゅってして……」
 喉から引き絞るように言えば、都筑がそっと腕を伸ばして琴を抱きしめた。
 何の不安も必要ない、唯一の場所。
 都筑の息づかいや鼓動、体温、優しいのに力強い抱擁に琴は満たされていく心地だった。

 ――この人に出逢うために産まれてきた。

「……答えてくれるか?」
 都筑の真摯な声が聞こえてくる。
 琴はゆっくりと顔をあげ、都筑と目を合わせると呟くように言った。
「……愛してる」
 それを言うとぎゅっと胸が締め付けられるような感じがし、涙がまた溢れてくる。目をそらし、指先で都筑の胸元を弄ぶ。
 都筑の息が聞こえ、頬を温かい手で包まれて再び顔をあげると、都筑のまっすぐなまなざしがそこにあった。
「……先を越された」
 独り言のような呟きが聞こえ、琴は目をそらせないままに都筑を見つめていた。
都筑の唇が額に触れる。
 柔らかく温かい感触に目を閉じると、そのまぶたにも口づけが降りてくる。
 琴はほっと息を吐き出し、手をベッドについて上半身を起こすと都筑を抱きしめた。
 たくましい彼の首筋にちゅうっ、と音をたてて吸う。
 都筑は琴の腰を抱いてそれを受け止めた。
 琴は都筑の肩にも唇を触れさせ、手のひらで胸を撫でた。
 都筑が喉を震わせて息をするのが感じられる。
 上目遣いに様子を窺うと、都筑は唇を噛んで琴を見つめていた。
 その視線に頬がかあっと熱くなり、琴はごまかすように目を閉じると都筑の胸元に顔を寄せる。
「噛むと傷になるんじゃ?」
「そうきたか……」
 琴は都筑の乳首をなめた。琴のそれより小さい。 音をたてて吸うと都筑は片目を瞑った。
「うっ……」
 琴は都筑の反応に嬉しくなり、膝立ちになると彼の乳首を舐めながら下に手を伸ばす。
 ズボン越しに熱くなったモノに触れ、撫でるようにすると都筑が腰に回していた手に力を込めた。
「ちょっと……」
「んん、だめ……私もする」
 琴は都筑の手を止めた。
 都筑は腹から押し出すように息を吐き出す。
 観念したのか琴の髪を撫でる。
「なら脱ぐから」
 都筑は腰を浮かせるとズボンを脱いだ。
 下着に手をかけ、琴はそれを見つめている。
 黒の下着がずらされると、モノがぐんっと天井に向かって勃ちあがる。
 琴は流石に頬を赤くし、思わず目をそらしたが、都筑によって彼の脚の間に収められてしまう。
「するんじゃなかったのか」
「す、する……」
「早く……」
 都筑は切羽詰まったように息を乱した。
 琴は急に恥ずかしくなり、眉を寄せながらもモノを掴む。
 すでにそれは濡れそぼち、琴の手のひらがぬるぬると濡れた。
 杏色の先端を右の手のひらで包み、ガチガチに固くなった竿を左手で上下に擦る。
 都筑が上擦った声を混じらせ、息を吐いた。
「あの……気持ちいい?」
 琴は不安になりそう訊いた。
 都筑は琴の髪を撫でながら頷く。
「良いよっ……」
 都筑のモノはどんどん濡れていく。
 琴は全身の産毛がざわつくほどどきどきし、時折聞こえる都筑のくぐもった声に、ぞくぞくが背筋を降りていくのを感じた。
「くっ……そこ……」
 琴の手の中で都筑のモノがびくんと跳ねた。
 先端の膨らみの近くだ。
「え……」
「そこ、いいっ」
 裏筋に触れると、都筑の下腹部が震えて悩ましい声が出る。
「こ、ここ?」
「ああ、いや、ちょっと待ってくれ」
「えっ?」
 都筑は眉を寄せて琴の手を止めた。
 琴はやっぱり下手だったか、と思い、不安になって都筑を見つめた。
 都筑は息を整えると琴を見た。
 その目元は赤く切なげに見えて、琴はどうしようもなく全身を熱くさせる。
「もう出そうだ……」
「よ、良かったですか?」
「ああ。だから、もう……」
 琴はほっとし、口元を綻ばせると都筑に抱きついた。
「琴……ごめん、もう限界だ」
「うん」
 琴は頷くと体を折りたたみ、都筑の脚の付け根に顔を寄せた。
「ま、待て」
 都筑の制止を聞かず、琴は髪を耳にかけながら口を開く。
 ツンとする匂いを鼻腔の奥に感じるが、ぼうっとする頭はそれにもすらうっとりする。
 舌を出して竿をずるずる、と舐めあげ、口の中に先端をなんとかくわえ込むと、喉がぐっと苦しくなった。
「む、う……っ」
 モノは熱く、口の中が火傷しそうだ、と琴は思った。
 都筑は何度も苦しげに息をし、琴の髪を指に絡めて頭を支える。
「琴……っ! ちょっと……待てっ」
 都筑は息をつめながらそう言い、琴は目を閉じて首を横に振る。
「もっと良くなって……」
「ちが、出そうだ……っ」
「嫌なの……?」
 琴が舌で穴をつつくと、モノはぴくぴくと反応し、先走りの液体を流す。
 手で竿を擦ればびくびくっ、と脈動して揺れ動く。
 琴は喉を鳴らして先走りの液体を飲み込み、くらくらする中で必死に手でしごいた。
 都筑がはあっ、と息するのが聞こえ、思わず腰が揺れる。
「嫌じゃないけど……」
「じゃあ……」
「いっぱい出そうだ……君の口の中、汚れるっ」
 だから、と都筑は琴を止めようとしたが、琴は首を横にふって両手で竿を握る。
「出して……っ」
「琴……っ」
 琴は口を大きく開けて、モノをいっぱいに咥える。
独特の匂いに目がかすむようだったが、先端に舌を這わせてじゅぷじゅぷと音を立てた。
 都筑が琴の頭を押さえ、腰をわずかに揺らす。
「出すからな」
 都筑の一言に琴は頷く。
 ずっ、ずっ、と何度か唇でしごくようにすると、都筑が息を荒くした。
「出る……っ!」
そう聞こえた瞬間、モノが痙攣し、びゅびゅっと勢いよく琴の口内に熱い液体が流れ込んだ。
 喉の奥にねっとりしたものが叩きつけられ、琴は思わず口を開く。
 モノは口から離れ、なお濃い白濁液を噴出させている。
 琴のまつげや頬にねっとりと絡みつき、琴は都筑が絶頂したらしいことに体の奥が喜ぶのを感じ取った。
「あっ……」
 蜜が再び溢れ、内ももを滑ってゆく。
 ショーツはすっかり重くなっていた。
 都筑は息を整え、琴に手を伸ばす。
 顔中にかかってしまった白濁液を拭い、琴の口を開かせると眉を寄せた。
「……飲んだのか?」
「だ……だめだった?」
「いいや……」
 都筑は確認するように琴の舌を人差し指で撫でる。
「ん……」
 緩く撫でられ、琴は腰に熱が溜まるのを感じてしまう。
「……こっちおいで」
 都筑は琴を引き寄せ、体を密着させる。
 都筑の腕の中に収まり、強く打つ鼓動が重なるのを聞いていると、どくどくと体の芯がうずき出す。
 琴が熱っぽく吐息すると、都筑が頬を撫でて上向かせた。
「まだ足りない……」
 そう囁く都筑の言葉に琴は頷いた。

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