待っている、のではなく、受け入れるということ。
受けいれるということの奥深さ。出来るだけ綺麗なものでいっぱいにしたい・して欲しい。
元ホステスさんから教えていただいたことなのですが、「お客様のお話をしっかり聞いているという姿勢を見せることが大切」というもの。
女性は基本的には受け身である、と書いてあります。
あくまでも基本的には、なので、そうではない女性もたくさんいらっしゃいます。
そのうえでも、やはり「女性の根っこの気質」は受け身なのでそのまま進めていきます。
受け身であるからといって、「何もせずじっとしていればいい」「待っていればいい」というわけではありません。
受け身というのは「受ける」ということですし、Sexの時に相性の良い女性と出会った男性が言うのは「自分という存在を全部受け入れられたような気持ちになる」というもの。
こういう「あなたという存在を受け入れていますよ」という姿勢を持つというのがものすごく大切なんです。
ホステスさんが語るには「相手の話を聞いて、その人がお話したいのだろうなあというポイントをオウム返しします」というもの。
客 「この間ゴルフに行ってさ」
彼女「ゴルフに行ったんですか?」
客 「そう。そしたらけっこういい成績で」
彼女「本当ですか?すごーい、詳しく聞かせて下さい!」
という風に、オウム返ししながら相手の「話したい部分」を掘り下げていくと良いですよというもの。
「この子は僕の話を聞いてくれてるんだな」
という風に、相手に安心感や信頼感を与えられる、とのこと。
他にはお客様の仕草をまねる、というのも。
「お客様がグラスを持ったら、私も持ちます。ミラーリングで自分はあなたの仲間ですよ、と暗に伝えると向こうは「受け入れてもらえそう」と思ってくれます。ただしやりすぎるとわざとらしいので、連発はしませんけど」
とのこと。
ホステスさんのスキルですから、そのまま取り入れることはしなくて良いのですが、「あなたという存在を受け入れますよ」という姿勢を見せるというのは、これ大事だなあととても思います。
人は自分の話を聞いてくれる人が好き、と言われていますし、また会いたいと思われる人は聞き上手な人です。
個人的に思うのは、話下手な方からすると話し上手な人がいると助かるよね……。本当に口下手なので、私自身は話し上手さんも好きです。
もちろん会う人、仕事先、家族、と全員に対してこれをやっていたら身が持ちませんし、受け身であるからこそ「汚染」もされやすいです。
危ない人は多いですから、そういう人相手には営業スマイル、しかし受け入れ過ぎないようにしっかり自分を守るための蓋をする、というのは必要です。
昔に接客業をしておりましたが、やはり「(当時)若い子」ということで結構見下した態度のお客様はいてました。
「こんなんしか置いてないのか」
「商品安くしろよ」
とか、営業時間を過ぎているのに「接客しろよ」と平気で言ってくる人はいたのですが、こっちも商売ですし、雇われてる立場なので勝手なことは出来ません。
「私には決定権ないので無理ですね」
「社長に直談判なさって下さい。そこにいてますので」
となるべくはっきり言い返していたら向こうもちょっと背中丸めつつお買い上げして帰っていきました。
社長みたいな肩書が「上」の人と直談判するだけの根性はないんですよね、そういう「下」の人にあれこれ言う人って。
それで帰ってくれる人なので良かっただけかもしれませんが、無理なものは無理、という態度も多少は必要だなあと思ったものです。
クレープ屋さんで酔っ払いに絡まれてる店員さんもいましたが、ああいう酔っ払いのナンパ師はまともに相手していると他のお客様の邪魔になるので、甘い顔ばかりしているとそれも良くない。
さらっと流す、さっと立ち去る、かわし方も色々あると思うのですが、とにかく、誰が、特にあなたが悪いわけではないなら堂々としていた方がいいかと思います。
悪意はもう、どんどんリリースしていこう。
受けいれる、というのはけっこう奥深い言葉です。
待っているだけではなくて、こちらから何らかアプローチすることは出来ます。
例えば相手を頼りにするとかも、それも相手という存在を受け入れているからですよね。
嫌いな人に助けは求めませんから。
「〇〇くん、これ持って」
「これ手伝ってほしいの」
というのも、一つの受け入れです。
不思議だよね。ちょっと屁理屈っぽいけど。
当然向こうから求められた時に受け身は発生しますから、そう考えると受け身というのは「ただただ待っている、何もしない状態」ではないと言えるでしょう。
日本の武道でも、必ず「受け身」を習います。
ケガをしないため、受け身をしっかり学んでからじゃないと次に進めません。
それを精神的にも正しく受け入れられれば人間関係はスムーズになります。
厄介な人は流していけます。
それも誰も傷つけない方法で。
合気道などでは、「投げられた方も気持ちよく感じる。和平のための武道」と受け身のことを解説されていたような。
器にきれいなものが満ちているなら、他のものは入る余地がない。
これを出来るようになるのはどれだけ時間がかかるのか。
一生かけて学んでいくことかもしれませんので、気長に気楽に。
まずは、老若男女問わず素敵だなと思う人や、尊敬できる人、大切だと思う相手を「受け入れる」ことを意識してみるのはいかがでしょうか。