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Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 小説

Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第38話 なすべきこと

 王都の近くまで到着したものの、不気味なほど静まりかえって人の気配がない。
 橋と門は両方閉ざされているが、オニキスの合図で中から開かれた。
 一行は武装していたものの、拍子抜けした空気すら漂う。
 てっきり戦闘になると思っていたのだ。
 総大将であるアゲートに報告がもたらされた。シリウスもロータスも、オニキスも一緒にそれを聞いていた。
「中にいるのは?」
「ピオニー王女殿下の軍です」
「竜人族はどうした?」
「スティールが行方不明となったため、武装解除し散りました。主に山の方へ」
「シリウス殿、貴殿が声をかければ集まるのでは?」
「ああ。放ってはおけない」
 シリウスは馬車からひらりと降り立つ。ジャスパーとフェンネル、シトリンもそれに従った。
「俺たちで行ってくる」
「では、私たちは適当な場所で陣を取る。何かあったらそこで合流しよう」
 連合軍から離れ、シリウスは銀髪を隠さず王都を歩く。
 民の姿はほとんどない。
 ロータスがウェストウィンドへ逃げる道を確保したためだ。そちらへ避難し、今はウィンド家の保護を受けているのだという。
「軍は機能していないな」
「魂抜けてる感じがする。くさい」
 シトリンはそう言って、鼻をつまんだ。兵士の空気を敏感に感じ取っているのだろう。
「くさい?」
「うん。つんつんした匂いがするよ。汚い感じだよね」
 歩道の裏道を覗けば、兵士がその場に倒れていた。兜が脱げ、顔が見えている。
 若い男だったが、その頬は赤くぷつぷつとしたできものだらけだった。
「……衛生の問題がありそうだ」
「だよね。多分、病気しちゃう」
 シリウス達はスカーフを鼻まで持ちあげ、空気を吸い過ぎないようにした。
 山の方へ向かうと、樹上の影が揺れ登山路に落ちる。
「……おい?」
 声をかけると、影はさっと行ってしまった。
 その身のこなしは軽く、迷いがない。
 竜人族だ。
「待て! 俺だ。シリウスだ!」
 名乗るものの、影は隠れるように更に奥へ行ってしまう。
 獣道に入っていったが、山頂へ向かったのは確かだ。
 シリウスは3人を振り返り頷くと、山頂目指して駈け出す。
 木に溜まっていた灰が振り落とされ、どこを移動したのかわかりやすい。
 それほど遠くない、シリウスは声をかけた。
「スティールはもういない! 行く当てがないなら、俺たちと一緒に来るんだ!」
 ぴたり、と移動が止まり、木が揺れ影が立ち止まったのだと知れる。
「誰のせいでもない。自分で決めるんだ。一緒に来るか?」
「……」
 影は何か小声で言ったようだが、聞き取れない。シリウスは振り返った。
「ジャスパー、聞こえたか?」
「”病気が広まってるんだ、戻れない”……だそうだ」
「病気? 兵士がかかっていたあれか?」
「”竜人族には感染が広がっている。……迷惑になるから”……シリウス」
「分かった。薬草を持ってくるから、そこで待っていてくれ」
 シリウス達が引き返そうとした時、木の葉が揺れ影が姿を現す。
 影は若い女の戦士だった。彼女はようやく聞こえる声で話し始めた。
「……竜人族の薬草じゃ足りない。王国の薬が効くけど、突然来なくなって王国軍にも被害が出たんです」
「王国の薬か」
 女は頷いた。目元にはできものがある。
「シリウス……ごめんなさい」
「気にするな。皆一緒にいるのか?」
「ここには30人。森に20人。……薬は私達で、動ける者が届けるから、不用意に近づかないようにして下さい」
 シリウス達は山を降り、連合軍に報せるためフェンネルを先行させた。

***

 ロータス達はかつて捜査機関が酒場を開いていた森に陣を取っていた。
 フェンネルの報告を聞いたロータスは、すぐに王国で起きた過去の疫病について思い出した。
 その時も確かダイヤモンド山の噴火が関わっていたはずだ。そこから「火山病」と名付けられたが、大きな要因は不潔である。
 中からの報告が遅れたのは「鷹を飛ばせない」という理由からだった。更に感染者は隠れていたため、発見が遅れてしまったという。
「王国に薬があるらしいんだけど、配給が止まったって」
「貯蔵庫にあるはずだ。だが、一番は衛生管理だ。灰は要因に過ぎない。王都で一体、何が起きたと言うんだ? ……水源に問題があったかもしれない。そこを調べに行くよ。薬に関しては王宮だ」
 ロータスはスカーフで口と鼻まわりを覆い、皆にもそれを徹底するよう言う。
 王宮の貯蔵庫には行くつもりだが、それよりも水だ。
 アゲートは病人を陣の近くで預かると決め、王国軍に指示を出している。
 すぐにテントが建てられ、竜人族は薬草を用いた料理を作り始めた。
 オニキスはロータスと行動を共にすると決め、サンとナギ、フェンネルがそのまま選ばれた。
 おそらく敵襲の危険はない。
「王宮へ行く前にこんな問題が起きるなんて」
「人災ですな。王女殿下に人を導く才がなかったのでしょう」
「ですが、疫病は目には見えませんよ」
「見えなくても常にその危険はあるものです。歴史がそれを証明している。人間は自然界を支配出来るほど強い存在でも賢い存在でもありませんからね、衛生管理は生きるための必須条件です」
 オニキスの淡々とした説明にロータスはほうほうと頷く。
「そうですか……オニキス殿の視点は不思議ですね」
「私が留学していたウィローでは自然に逆らわないよう生きること、を一番の知恵にしていますから。守られた環境にいる者ほど、自然に対し保護すべきだとか、あるいは克服出来ると考えがちです」
「どちらも良くないと?」
「良くないでしょう。人も自然の一部なのですから。別に君臨などしていない。それが分かれば、ああいう上から目線な考え方もマシになるのではと私は考えています」
 オニキスは時折辛辣である。
 ロータスは美形の毒舌ほど怖いものはないな、と痛感した。

 井戸に到着すると、すぐに異変に気がついた。
 腐臭がするのだ。
「誰かが故意にしたのでしょうか」
 コーが言ったが、ロータスとオニキスは同時に「違う」と返す。
「葉っぱが溜まっている。おそらく、ゴミを回収するのを忘れたのだろう」
「ヘドロになっていると」
「流れが悪くなったのはそれのせいだ。ここで一応の処置は出来るが、ただの応急処置だな」
「王都に平和を取り戻したら、徹底的にやらないと……」
 水を抜き、底に溜まる葉を確認するとロータスは綱を使って降り立つ。
 水ではなく、葉が腐っているのだ。鼻をねじ曲げるようなきつい匂いに吐き気がするが、落ち着いて呼吸し葉を取り去る。徐々に水の流れが戻り始め、透明な水が出てくるのを見るとすぐに上に戻った。
「王子。俺がやるのに」
 フェンネルがロータスの手を取りながらそう言う。
「いいや。私も一応、王家の者だからな。王国の汚れを払う責任がある」
「水が綺麗になれば感染者にも使えます。水源の確保は兵士らに任せ、王宮を探りましょう」
 ロータスはオニキスの発案に頷く。
 王都は人の気配がない。
 馬の蹄の音がやけに大きく聞こえるほどだ。
 不気味さすら漂う中、頭上に影を見た。
「今のは……」
 ロータスは影を追う。人のものだ。だがすぐに隠れてしまった。
「……」
 追いかければ疫病に感染するかもしれない。ロータスは視線を戻し、まずは陣営に戻ることにした。

 陣内には薬草を煮込む独特の匂いがたちこめていた。鼻の奥をきゅっと刺激する、苦くすっぱい匂い。
 静かの森から行動をともにするクレマチス始め、ベリルもデイジーもそれを手伝っている。
 即席の薬湯だ。
「毒を払うことは出来るが、治すことは出来ない。ないよりは良いはずだが」
 シリウスはそう説明する。
「これをどう配る?」
「王宮内に潜入する者に必須だ。感染者にはもうしばらく耐えてもらうことになるが、薬を取れれば……」
「時間との勝負といったところか。貯蔵庫へは私が案内する」
 陽が傾き、大通りには光が満ちる。
 完成した薬湯が配られ、ロータスはその苦々しい薬湯を飲み干した。
 隣に立っていたクレマチスは、こんな時落ち着いた様子を見せている。
 虹色の目は夕陽とともに色が濃く変わった。
「必ず戻って下さい、ロータス」
「ああ。帝国軍がいる、無事だと思うが、あなたも気をつけてくれ」
「私の心配は要らないわ。大丈夫」
 穏やかに微笑む彼女の手を取り、指を絡める。
 いつか、正体の見えない不安に駆られていた。
 彼女に呆れられてしまうのでは?
 彼女を失うのではないか?
 自信のなさはロータスの背後にぴったり張り付き、常に髪の毛をひっぱるように囁いてきたものだ。
 ――私は弱い存在だから、と。
 クレマチスの体温が近づき、目が合うと額同士をくっつける。
 不安は消え去り、目の前にいるクレマチスをまっすぐに見つめられるようになった。
 焦る気持ちはもうない。
「必ず帰ってくる」
「……うん」
 クレマチスの腰を抱けば、彼女はそっと抱き返す。
 その温もりを刻みつけるように、ロータスは力を込めてぎゅっと抱きしめた。

***

 夜が更け、いよいよ王宮へ出発した。
 シリウスは夜風を受けながら石畳を歩いていく。先導のロータスは背筋も伸び、頼もしいほどである。
 オニキスとサン、ブルーといった捜査機関の面々も一緒だ。
 兵士達は歩いた後を守るように整列し始める。
 ジャスパーとフェンネルも、この時ばかりは静かなものだった。
 王宮までの道には誰も現れない。
 跳ね橋を下ろし、門を開ける。玄関は相変わらず崩落の名残があるものの、王の寝所は比較的無事だったようでそこにピオニーは住んでいるという。
 ロータスは慣れた様子で王宮に入り、倒れた柱を乗り越えまっすぐに地下へ通じる階段に至った。
 シリウス達もそれに続いて地下へ行く。
 中はひんやりとした空気に、少しだけ密閉されたほろ苦い匂いが漂っている。
 近いうちに開けられた気配はなかった。
 流石に王宮の地下である、遮るものがなく頑丈な柱で守られ、あの日の崩落にも耐えたようだ。
 広いはずだが、物資が多く狭い印象すらある。
 カンテラを多く配置し、ある程度見渡せるようになった。
 ロータスがようやく口を開く。
「火山病と書かれたものがあるはず」
「火山病ね。前に噴火したのは50年前だが、腐ってないか?」
「薬は切らさず作られている。父上は……こう言うと誤解があるかもしれないが、常に準備を整えておくことを信条とされていたんだ」
「戦への?」
「それもある。アイリスでは、竜人族に関係なく様々な不安要素があったし、他国から侵略される危険も感じていたとかで……実際はそんなことないのだが」
「準備万端は良いことだ。物資がないといざという時、困るしな。それはリーダーとしては誉められる素質だろう」
「ああ」
「あっ、これじゃないですか?」
 少年の明るい声が響いた。
 捜査機関のナギである。
 彼は棚の奥に入り込んでいたが、積み上げられた箱からひょいっと姿を表した。
「ここにあります!」

 ナギが発見した一角には、流行病のための処方がずらりと並んでいた。
 火山病と書かれた箱を開けば調合法と共に大量の薬が詰まっている。
 リレーのように運び出せば、夜を通して王宮から王都へ新鮮な空気が流れ出す。
 一切邪魔が入らないのが不思議なほどである。
 空が白み始め、アゲートの指示の元続々薬が各地へ運ばれていったようだ。
「これで一仕事終えたな」
 ジャスパーがふうっと息を吐く。
「ああ……。だが、上手く行きすぎたな」
「姉上の軍が動かないのが気になる」
 ロータスも疑いを深めているようだ。どちらにせよ「真ん中へ至る入り口」を探す必要がある。一行は薬の運び出しを軍に任せ、王宮内を探索することにした。
 どこも静かで、崩落の跡が生々しく残っている部分が多い。
 4階はもう崩れて失われている。3階も半壊だ。
 果たして王座の間は無事だったが、その奥への通路は瓦礫が横たわっている。
 そこに一人の男が立っていた。
 黒装束、顔には覆面。
 暗殺者だ。
「……あなたは無事なのか」
 ロータスが声をかけると、暗殺者は体を揺らして構えを解く。
 覆面を取ると、陥没した頬、唇には斬られた痕が痛々しい顔が現れる。
だが感染者の症状は出ていない。
「王女は我々を頼りにした」
「優先されたと?」
「その通り。……彼女の判断は間違いだ。だが、同時に我々をあざ笑った連中が、今は見るに堪えない顔をしている」
「それで溜飲は下がったか?」
「……さっぱりだ。気分はずっと悪い。王子、あなたがしたように、自ら汚れを払うべきだった」
 暗殺者はすっと道を譲った。
「罪はつぐなう」
 そう言うと、彼は立ち去ってしまった。
 それを見送り、瓦礫を見上げる。
 登るようにして乗り越え、寝所へ入った。
 中には天蓋の外れかけたベッドがあり、よれよれのドレスを身に纏ったピオニーが眠っていた。
 いつか見た姿とは違い、顔色はどす黒くやつれ、亡霊のようになっていた。
「姉上」
ロータスが声をかけると、ピオニーは重そうなまぶたをあげた。
 ぎょろっとした目が彼をとらえる。
「……ロータス。帰ったのね」
「何があったのですか」
「知らない……私はね、ロータス。何もしてないの。全部あの女とスティールがやったのよ」
「だが、スティールと手を組んだのは姉上では?」
「女王になりたいかと訊かれたから、ええって答えたの。だって、女王になれなければ下らない男のもとに嫁いで、王家との縁を取り持つだけの存在になるもの」
 ピオニーの声は掠れ、重々しい。
 呼吸すら面倒だという雰囲気だ。
「だから、あの女に協力したのよ……そしたら、ねえ、スティールとあの女、王都をめちゃくちゃにしたの。全部私の責任なんですって」
 沈黙が降り、ピオニーは腕を持ちあげると顔を覆う。
 すすり泣くような声が聞こえたと思うと、それはやがて笑い声に変わっていった。
「あははは……っ」
 ふふっ、と少女のように笑うピオニーに、正気はもうない。
「ねえ、たくさん死んだわ。それに、火山まで噴火して。疫病が広がったでしょ? 薬を出すようにって民衆と軍が一緒になって離宮に攻め上ってきたの。私、怖くて怖くて。こっちへ逃げてきたわ」
「父上はどこへ?」
「知らない。でも、見つかってもこっそり始末するってあの女は言ってたから、ずっと分からないままかも」
「なぜこうなるまで放って置いたのですか? 火山病のことは?」
「知らないもの。ねえ、帝王学を学ぶのは男だけでしょ」
「まさか。トレニア姉上はご存じでした」
「トレニア姉様はそうよ。だって優秀な長女だものね。良い夫に恵まれ、アイリスが危険になる前に脱出出来たわ。なぜああも恵まれてるの? 私とは大違いよね」
「当然でしょう。コネクションと通じ、悪に染まったあなたと、いつも皆を案じ心を砕いてくれたトレニア姉上が同じなわけない」
「あなたも私を責めるのね」
「何人の犠牲者が出たと?」
 ロータスの声が厳しいものになった。
「あなたと、コネクションと、スティールと。三人の思惑のために、どれだけの者が犠牲になったと? 罪のない者が死んで、今も疫病に苦しんでいる」
「ふふふっ」
 ピオニーは笑ったが、今度はそれが泣き声に変わっていった。
「疫病は私のせいじゃない」
「いいえ。人災です。すべきことを怠ったせいだ」
 ひーん、とピオニーは泣いた。
 かつては見る者の心を奪った美貌も、こうなっては見る影もない。
 彼女は手をどけると、大粒の涙で濡れる目でロータスを見た。
「……あなたが羨ましいわ、ロータス」
「何を知って、そんなことを言うのです?」
「父上から見放されていた。……あなたは自由だったわ」
 ロータスの顔からみるみる表情が消える。
「姉上にそんなこと、言われたくありません」
 そう言った彼の声に感情はなかった。

 寝所を抜けると、離宮か妃の部屋への通路に出る。
 プルメリアは「サファイアのための扉」と言っていた。
 だが彼女のための部屋はすでになくなっている。
 心当たりはない、とロータスは言ったが、意外な人物が「もしかして」と言った。
 オニキスである。
「隠し部屋があるかもしれませんよ」
「隠し部屋?」
「ええ。例えば……」
 彼は王の執務室へ入り、本棚を探る。
「クローゼットかな」
 と、無遠慮に調度品を探り、シリウス達はそれにならう形で調度品を探った。
 絨毯をひっくり返す。
 そこに妙な取っ手を見つけた。
「これか?」
 シリウスは床に埋められていた細い取っ手を起こし、引っ張り上げる。
 すると切れ目のなかった木製の床が持ち上がり、人一人通れるほどの穴になった。
「……」
「す、すごい。オニキス殿、なぜ分かったのですか?」
 ロータスは無邪気に言うが、オニキスは一瞬の間を空け「よくある話です」と返した。
「なんでもいいが、これが通路か」
 シリウスは中を覗く。
 階段は徐々に暗くなっていくが、床は思ったより近い。だがその先は果てが見えない。
「とにかく行くしかない」
 シリウスはカンテラを持ち、中に入る。
 後に続いたロータスの靴音もあまりしない。
 やはり隠し部屋のための隠し通路なのだ。
 灯りが隠し通路を照らし、数時間歩いただろうか。
 ようやく行き止まりが見えてきた。
 竜人族が好む、竜の爪と炎を象徴する三角の模様。
 それが掘られた木製の扉だ。
「サファイアのための……」
「これがアイリスの”真ん中”に通じているのか……」
 ロータスは判子を取り出し、それがはまるところを探る。
 だがどこも彫刻され、穴などない。
 それに、扉というが取っ手もない。
 これでは扉にも見えないではないか。
「……これが扉ではないのか?」
「何か仕掛けがあるかもしれん」
 シリウスは彫刻に触れ、押したり引いたりしてみた。
 固く動く気配はないが、溝にそって手を動かす。
 ちょん、と手のひらに違和感が生じ、手を離す。三角が逆になっている模様があったのだ。
「……」
 シリウスはそれを押し込む。
 ギギギッ、ときしむ音がして逆三角が埋まっていく――それに連続して、三角の模様がぐるぐる動き出した。
 からくりというやつだ。
 竜人族にはない知恵で作られたそれに、シリウスは目を見開いた。
「すごいな」
「ああ……よほど隠しておきたいのだろう。ここまで大きく細かいからくりは私も初めてだ」
 ロータスは感心したように言うと、扉の真ん中、右端に出来た丸いくぼみに触れた。
「これが鍵穴というわけだな」

次の話へ→Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第39話 地下宮殿

 

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