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Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 小説

Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第28話 孤立

 厳重に封をされた木箱……若干の隙間が空いているのは「中身を腐らせないため」とフェンネルは説明をした。
 台本通りの台詞にシリウスはほっと息を吐く。
 実際に、中に入っているのは新鮮なものと乾燥させた薬草が多い。あまり空気に触れさせない方が良いのは間違いない。
 隙間から空気は入ってくるものの、外の様子は見えない。
 シリウスは祝いの品、とともに木箱に入り、宮殿内に侵入した。
「中を調べるぞ」
 検品係がやってきて、シリウスは息を潜めた。
 フェンネル達が上手く切り抜けてくれれば良いが、もしもの時はすぐに彼らを黙らせねばならない。
 緊張感が走ったその一瞬、気の抜けるような声に気配が変わった。
「すまんが、迷ってしまった。案内してくれぬか?」
 聞き覚えのある声はオウルのものだ。シリウスは耳をすまし、事の成り行きを見守る。
「どなたですか?」
「ベリー家のものだ。気分が悪くなり休んでおったのだが……」
 ふっ、と何か香った。
 その次の瞬間、どさどさと人の倒れる音がして静かになる。
「これでよし。そなたがフェンネルだね?」
「うん。おばあちゃん、誰だい?」
「さっき言うたであろう。ベリルとクレマチスの祖母だよ。その木箱の中には婿殿がいるのだろう? 気配で分かったのでね、助け船を」
「助かったよ、怪我をさせたらまずいかもなーって思ってた。旦那」
 木箱を巻いていたベルトが外され、シリウスが蓋を持ち上げるとようやく外だ。
 宮殿は昼間というのに、影を造って暗い。しかも人が出払い、まるで抜け殻のように虚しい空間になっていた。
 オウルはきちんと正装しており、貴婦人然としている。確かに貴族なのだという風格があった。
「ずいぶん静かだ」
「国王が倒れたようじゃ」
「何だと?」
 オウルの言葉にシリウスは顔をしかめた。
「気配が弱くなっておる。私は彼の治療に当たろうと思うてな。そなたらは?」
「秘薬を求めているんだ。何か探れないか? 調合法を記した書物があるはず」
「書物、秘薬……かつて国王を救ったものかね?」
「ああ」
「……ならば国王がきっかけになるであろうな。一緒に来ると良い」
 オウルは杖をつきながらも、器用に脚は早い。
 シリウスは戦士を見張りのため宮殿外に控えるよう言って、フェンネルをともないオウルを追った。
「国王が倒れたなど、広まっていないが」
「それはそうであろう。めでたい席だ」
「国の最高権力者だろう?」
「王家が、な。今その権力はアゲート王子のものだ」
「なら王子は危ないんじゃないのか?」
「その通り。帝国の使者達が守っているし、帝都から皇子も来ている。まあ、今日何が起きるということは考えにくい」
 オウルと話し合い、影に潜みながらジェンティアナの寝所を目指した。
 オウルが言うには、宮殿の王座の間、その奥の奥だという。
 衛兵がいるはずだ。
 シリウスはフェンネルに先を行くよう言い、オウルを背負うとその案内に従った。
「おう、目線が高くなったのう」
「揺れるぞ、注意してくれ」
 そのまま滑るように走り、衛兵がいない高い窓をフェンネルは開けた。明かり取りのための窓のため、2階に近く入り口は狭い。
 柱を登り、窓に近づくと床は途端に遠くなる。
 窓から部屋を見下ろせば、中に天蓋のある大きなベッドがあった。そこに見える人影がジェンティアナなのだろう。
「旦那、俺が先に行っておばあちゃんを受け止める」
 フェンネルはさっと飛び降り、腕を広げた。
「フェンネルは腕は細いが、力はある」
「安心せよと言いたいのだろう? 大丈夫、これでも長旅に耐えた身だよ」
 オウルは頷き、シリウスの腕から飛び降りた。
 ばふっ、と衣服が風を孕んだ音とともに、オウルがフェンネルの腕におさまった。
 シリウスはそれを見ると自身も飛び降りる。
 床は冷たい。
 国王ともあろう者が、こんな冷たい場所で暮らしているというのか?
 シリウスはジェンティアナの世界の一端に触れ、なぜか同情を感じる。
(これでは孤立だ。独立とは違う……)
 広く、王らしい一級品の家具や装飾の細かいベッド。だが寝所には冷たいとも違う、虚しい空気に満ちていた。
 急ごしらえだがテントで眠るロータスは、彼を想うフェンネルやシトリン、何よりクレマチスの存在に囲まれ、傍目には満たされた光景だったものだ。
「旦那」
 フェンネルに呼ばれ、顔をあげる。
 オウルはさっそくジェンティアナの側に膝をついてその左手に触れていた。
「……どうだ?」
「うぅむ。意識が薄いのう。魂が肉体から離れたがっているかのよう」
「……離れたがって?」
「ああ。疲労がたまって、心が折れそうになったのだよ。竜人族を信頼していたのに、裏切られたと。戦を望んでいないのに、それが起きてしまったと」
 オウルの言葉にシリウスは眉をよせ、腕を組んだ。
 彼は本気で竜人族を信じていたのだ。
「国王殿下も哀れなことだ。王たることはすでに決められた宿命。そして背負うことを決めてきた道だった。だが生きる中で自分で考え、決めた唯一の善なることは竜人族との和平であろう。サファイアを信じ、彼女を愛した。だが裏切られた想いで一杯なのだ」
「サファイアを?」
「そう。青い目の彼女を。側にいるよう望み、彼女はそれを受け入れた。なのにいなくなってしまった。そして戦は起きた。……自責の念も強い。たくさんのものを背負っているのだろう。国も、民も、戦のことも」
 シリウスはオウルのそばに寄り、ジェンティアナを見た。
 細い手首だ。老人らしい肌をして、青い血管も細い。
 国を背負い続けたその肉体は、シリウスの目にはただ一人の男のものに見える。
 もし全てを背負っているというなら、それは責任感なのか?
 傲慢とは違うのか?
「国は背負うものなのか」
「わからぬ。国によるのであろう。導くものなのか、育むものなのか、背負うものなのか。国そのものが若いのなら、背負うのは仕方ないのかもしれぬ」
「国王の独裁だと思っていた」
「それは民にも問題はある。この国は常に、一揆と簒奪の連続だった。地位に限らず誰もが恐れを抱くはずだ。だが我慢すれば良いとか、そういう問題でもない。この国だからこそ理解出来るものもあるのだよ」
「難しい話だ。だが、哀れだ」
「哀れかね。確かにそなたからすれば、そうなのだろうな。滑稽なことかもしれん」
「滑稽だとは……国王を責める気にもなれん。竜人族をすぐに疑ったのは、……彼の弱さなのか、俺たちの歩み寄りが足りなかったせいなのか。今となってはどうしようもない話だが」
 シリウスがそう声を落として言えば、オウルもまなざしをジェンティアナに向け静かに息を吐く。
 と、フェンネルが手を挙げた。
「あのさ……秘薬のことを知らないと」
「ああ」
「もちろん」
 オウルは再び目を閉じ、呼吸を深くして手を細かく回し始めた。
「調合法を記した書物は……うむ、宝物殿にあるようだ。竜人族の槍と共に置いてある」
 オウルの言葉にフェンネルは頷き、さっそく行動を……その時、オウルが言った。
「サファイアは王の寵愛を受け、子をなしたのだな。だが病を得、自分か子供かの選択を迫られ子を選んだのだ」
「え?」
 フェンネルが聞き返す。
「そうか。産まれたのは王子だ……銀髪の、サファイアと同じ、青い目の」
「それって……」
「ロータスのことなのか……?」

***

 スティールとピオニーが神殿内、祭壇の前に並び、女神像の前で膝をついて神官の祝詞を聞いていた。
 クレマチスはかつて自分も同じように祝福を受けたことを思い出した。
 少し前なら、ロータスへの罪悪感で嫌な思い出と胸を苦しくさせたかもしれない。
 今はただ中身のない、形だけのものだとはっきり思える。
 ピオニーの輝かんばかりの金髪。
 スティールの刺すような銀髪。
 それらが太陽光線のために全て金色に溶け合っていく。
 ピオニーとスティールが指輪を交換し、二人は正式に夫婦として認められた、と神官が告げる。
(誰に?)
 クレマチスの脳裏に一瞬、そんな疑問が浮かんですぐに消える。
 結婚式はつつがなく終わった。新婚夫婦を乗せた馬車はこれから街道を走り、民からの祝福を受ける。
 衛兵による守護のもとだ。
 アジュガはすぐに準備をし、二人の警護のため馬を走らせた。

 クレマチスは席を立ち上がろうとし、目の前に近づいてきた人物に目を丸くする。
 栗色の髪の下は人懐こそうな笑顔の青年。
 礼服は真珠色のなめらかな生地で作られた、体の線に合う上下は揃いのデザインで、縁取りは金糸。
 皇子だ。
「……エジリン皇子殿下」
「どうも、お初にお目にかかります。貴女がクレマチス・ウィンド……ではなく。クレマチス・レイン妃殿下」
 そういえば、自分はそんな名前になったな、とクレマチスは今更思いだし曖昧に笑みを浮かべてみせる。
「こちらこそ、お初にお目にかかります。ご挨拶が遅れてしまい、申し訳ありません」
「いいえ。私がせっかちなので、却って気を遣わせてしまいました。陛下が何度もあなたを話し相手にお呼びしたと聞いていたので」
「あ、ええ。そうです。とても光栄なことでした」
「そうですか。王宮内を散策に行きたいのですが、案内をお願い出来ますか?」
 クレマチスは戸惑い、ちらりとベリルを見た。
 ベリルはすぐに寄ってきて、「供を分けるわ」と耳打ちする。
 ルビー、イオスが供をすることになり、エジリンの供を連れた7人で王宮に向かった。
 前庭は鉢植えの木々が整列し、石畳は白く磨かれ特に問題はない。
 ジェンティアナの件についてはアゲートから「口外無用」と釘を刺されているため、クレマチスは当たり障りのない話をしていた。
 風が吹く。
 エジリンが立ち止まった。
「ロータス王子殿下は……」
 エジリンの口からその名が出て、クレマチスはすぐに真顔になった。
「私にとっては学院の先輩に当たります」
「……はい」
「血の繋がりもあるし、お話したこともあります。今回会えるかと思っていたのですが、叶いませんでした。お元気ですか?」
「……体調を崩しておられます」
「そうですか。お見舞いに伺いたいところですが……」
「皇子殿下……ご容赦下さい。私の口から事情は話せないのです」
「色々あるのでしょう、理解しているつもりです。それにジェンティアナ殿下にも会えない。……何かあったとして、長く隠すことは出来ませんよ」
 エジリンの口調が厳しいものになる。
 クレマチスは彼の目を見つめ、隠すことはあっても後ろめたいことはない、と背筋を伸ばした。
「皇子殿下、皇帝陛下にも、必ずお話出来る時が来るはずです」
「信じて良いのですね?」
「はい」
 エジリンの目が真剣なものになり、風がぴたりと止んだその時だ。
 人影が二人の頭上に迫った。

***

 細身の体躯のため、かなり軽い身のこなしだ。
 スティールの「弟分」はシリウス達に気づき、すぐに剣を抜いて迫ってきた。
 宝物殿から出てすぐのことである。
 書物を奪われないよう、しっかり体に隠しひた走る。
 王宮の前庭にクレマチス達の姿を見つけたその直後、弟分が彼らに迫っているのを見たのだ。
「危ない! かがめ!」
 声に振り向き、ルビーとイオスがそれぞれクレマチスとエジリンを庇う。
 ブオッ、と空を切る音がたてて、二人を弟分が飛び越える。
 そのまままっすぐにこちらに向かってきた。
 シリウスは腰に収めていた剣を抜き、彼が繰り出す短剣を受け止める。
「ルビー! すぐに皆を連れて退避しろ!」
「了解!」
 ルビーがクレマチスを立たせ、もう一人の青年は彼の供が庇っている。
 イオスはすぐに応戦の構えを見せ、助太刀のため駆け寄ってきた。
 おそらく一人ではないはず。
 シリウスは周囲を警戒し、残り3人の影を見つけるとそれをフェンネルとイオスに伝えた。
「何を盗んだ?」
 弟分が静かな声で聞く。
「ここで言うなら、盗みなどすると思うか?」
「ふざけるんじゃない。あんたの行動は迷惑なんだ」
「どう迷惑だと言うんだ?」
「スティールは英雄だろう? なのにあんたのお陰でいつも面目丸つぶれだ」
「知るかよ。スティールが英雄だと言うなら、誰の影響も受けないはずだ。認められないのはあいつ自身に問題があるだけのこと」
 弟分の目頭に皺が寄る。
 シリウスは剣を突き出し、そのまま左手に持ち替えて腹を柄でついた。
 不意打ちに彼は姿勢を崩し、膝をおった所を押さえ込む。
 その時、衛兵が駆けてくる音にフェンネルが気づいた。
「どうしよう、旦那。騒がしくなってきた」
「チッ、ここじゃ俺たちがお尋ね者だ。とっとと逃げるぞ」
「わかった。イオス、道はどっち?」
「こっちだ。ついてきてくれ!」
 シリウスは弟分の親指の付け根を切り、武器を持てないようにすると二人を追う。
 当然だが、スティールの弟分達もついてきた。
 矢が飛んでくる。
「民を巻き込んじゃいけない、草原に向かいます」
 イオスはクレマチス達とは別の方向へ走り、フェンネルがそれを追った。
 シリウスは後ろを振り返り、先端を鋭く削った小石を投げる。弟分がそれを弾いた。
 位置は特定出来た。
 斜め左。一人がそうなら、斜め右にもいるはずだ。
 あと一人は?
「前に警戒しろ! フェンネル、構えておけよ!」
「はいっ!」
 フェンネルがイオスのすぐ後ろについた。
 王宮から出て監獄へ至る草原に抜ければ、向こうは隠れられないだろう。

 王宮を抜け街道に出たところ、案の定、前方から待ち構えていたように一人飛び出してきた。
 衛兵も一緒だ。
 立ち止まり、相対する。
「どうする? 旦那」
「衛兵には手出し無用だ」
「捕まるのですか?」
「……調合法さえ届けられればな」
「えっ?」
  フェンネルがシリウスの顔を見たその時、頭上に大きな影が迫った。
力強い翼を広げた鷹――シャムロックである。
「来たぞ」
スティールの弟分がひるんだ、その隙に馬に乗ったシトリンが駆けつける。

 シリウスは書物を彼女に投げた。
「キャッチ!」
 シトリンの明るい声は徐々に遠ざかった。
 シリウスはイオスとフェンネルに離脱するよう言い、自身は衛兵達の前に立ちふさがる。
「早く行け!」
 戸惑うフェンネルの背中を押し、「ロータスを救えよ!」と叫ぶ、これでフェンネルは走らざるを得ないだろう。
 シリウスは剣を抜き、迫ってくる竜人族を迎えうった。

***

 馬車に乗せられ、すぐに王宮から離れていく。
 クレマチスは途中合流したブルーと併走しながら外を見ていた。
 シリウスがなぜここに?
 きっと理由があるはずだ。ベリルを振り返るが、彼女も事情を知らないという。
「オウルもいないわ」
「おばあさまも? どうしよう」
「オウルのことだから大丈夫だと思うけど、まさかこんなことになるなんて」
 王宮に刺客が現れた、と騒ぎは徐々に大きくなり始めている。
 エジリンは無事のようだが、帝国のジェット将軍が迎えに来たためそこで別れてしまった。
「酒場で会えるはずよ。一足先にそこへ向かいましょう」
「そうね……」
 冷静なベリルの態度にクレマチスも徐々に落ち着きを取り戻す。
 街道を走る途中、クレマチスは窓の向こうに見える人影に「止まって!」と叫んだ。
 衛兵に囲まれ、槍を向けられているシトリンを見つけたためだ。
 馬車が停まり、クレマチスは飛び出した。
「彼女は私の客です! 無礼は許しませんよ」
 衛兵が振り向く。
「妃殿下?」
「おい、槍をしまえ」
 こそこそと話し合う声の向こう、大きな目をこちらに向けるシトリンと目が合った。
「竜人族の娘ですよ」
「それが何か? 彼女達が持ってきたダイヤモンドが気に入ったの。さあ、離れなさい」
 クレマチスは口調鋭く命じ、衛兵達は肩をすくめながらも遠ざかる。
 まだ疑っているようで、下がる気配はなかった。
「……馬車に乗って」
「良いの?」
「人目につくわ。その方が安全でしょう?」
 シトリンは納得したのか、馬から降りると素直に馬車に乗り込んだ。
「妃殿下、危険ですよ。せめて私たちが目的地までお送りいたします」
「そうね、では宮までお願いするわ」
 クレマチスはこれ以上断っても疑われる、と察し、彼らの同行を許す。
 アジュガの宮に戻るつもりはなかったものの、こうなっては仕方ない。
 行き先の変更はすぐに伝わり、馬車に乗るやいなやすぐに馬車は走り出した。
「奥様、これ見つけた」
 シトリンは服の中から書物を取り出した。
 ベリルはそれを受け取り、中を開く。
「これは……秘薬の調合法?」
「そう。ダイヤモンド山には秘薬は残ってなくて、調合法を記したものは王国軍に取られたの。それで皆で取り返したんだ。だから、その、旦那が危ないかも……」
「シリウス殿が?」
「旦那のことだから大丈夫だと思うんだけど、でも衛兵に囲まれてて。でも、とにかく王子様は助けないと……」
 シトリンのたどたどしい説明に、ベリルは眉をよせた。
 クレマチスはそれを聞き、下唇を噛む。
 もしシリウスが捕まったら?
 極刑は免れない。時間はない。
「……シリウス殿を放ってはおけないわ」
「だよね。でも、どうしよう」
 シトリンの声は不安そうに揺れていた。
 クレマチスはスカートをぎゅっと握りしめ、やがて唇を解いた。
「アジュガ殿下にお願いする」
「え?」
「シリウス殿には何の落ち度もないとお話すれば、助けてくれるかも……」
 ベリルとシトリンの目が一斉にクレマチスを向いた。
「ダメよ、アジュガ王子はまともじゃないのよ。また貴女を傷つけるかもしれないわ」
「えっ。そんなのシリウスの旦那は望まないよ。王子様だって……」
「彼を見捨てたら、私はロータスの前で胸をはっていられない!」
 クレマチスの一言にシトリンは目を見開いた。クレマチスは続けて言う。
「時間は稼げる。……その間に、王子もシリウス殿も助けられるかもしれない」
「……」
 ベリルはきつく眉をよせ、しかし何も返さない。
 刻一刻と、時間がかかればかかるほど危険は増していくのだ。
 ロータスも、シリウスも。
「宮へ急いで」
 クレマチスの声にルビーは従い、馬車は速度をあげた。

次の話へ→Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第29話 孤独の中の迷い人

 

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