Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 小説

Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第9話 スティールの合流

 暦の上では冬に入ったころ、静かの森は生活に馴染んできた竜人族と、ベリー家の郎党、そしてロータスの面々を平穏さで包むようになっていた。
 冬越えの準備を終えた動物たちが活動も静かに、王国軍の侵入もない。
 シリウスは冬前に集まってきた竜人族の新たな面々を迎え入れ、家の提供やらを指示するのに日々追われている。
 そんなある日のことだった。
 頭巾の一団が近辺の村に出る、と話を聞いたのだ。
 それを持ってきたのはデイジーである。
 あれから近くの村に買い出しに頻繁に行くようになった彼女達は、頭巾の一団による盗難事件の噂話で持ちきりだと報告してきた。
「頭巾の一団といえば、王子が話していたな」
 ロータスは厩舎で馬の面倒を見ていることが多くなった。彼の前では荒馬も大人しくなると評判である。馬と相性の悪い竜人族にとってはありがたいことだった。
 この時もブラシを持ち馬の首筋を撫でてやっていた彼に声をかけると、彼は深く頷いた。
「ああ。盗賊風情、と軍でも言われていた。あなた方との戦闘でも遭遇したが、鎧の形を変えるほどの握力だったぞ」
「銀髪に青い目、だったか……裸足でな」
「ああ。彼らが近辺に現れたと?」
「そうなの。なんか盗みがひどいって村の人達は言ってた」
 シトリンは流石に肌の露出を減らしている。鼻の頭が赤いのは、つい先ほどまで外で槍の訓練をしていたからだそうだ。
「そしてつむじ風のように姿を消す、か……竜人族で風の如く移動し、力も強く銀髪となればスティールの顔が浮かぶがな」
「スティールのアニキぃ? この辺にいるかもしれないっていうこと?」
 シトリンがそう言うと、ロータスと一緒に馬番をしていたフェンネルが割って入った。
「マジで!? やっと合流出来るの?」
「嬉しそうだな」
「嬉しいよ。スティールのアニキなら一騎当千。そしたら俺たち、王国軍を蹴散らしてダイヤモンド山に帰れるかもしれない!」
 フェンネルは単純に喜んだ様子を見せるが、シトリンは対照的だ。
「スティールのアニキが来たら、ここだって平和じゃなくなっちゃうじゃん。せっかくさ、皆良い感じになってきたっていうのに」
「でもさ、ダイヤモンド山に帰るのがやっぱ良いって。ここも良いけど、やっぱ他人の家って感じするから」
「そうだけどぉ……」
「シトリンはスティールが嫌いだったのか?」
 シリウスがそう聞けば、シトリンは「嫌いじゃないけど」と前置きして口を開く。
「だって女の子の日だって言ってるのに、山登りに槍の稽古、鉱石を拾い集めて持たせるわけ。なのにスティールのアニキ、鍛えるためだからって自分は石すら持たないじゃん。それに生理止まったら大変なのにさ。しかもお尻見てくるし。でもシリウスの旦那は女の子の日の時は休んでて良いって言ってくれるもんね、大好き」
 シトリンはわかりやすく表情で伝えるが、シリウスは顎をしゃくった。
「普段元気すぎるのが死にそうな顔をしてるんだから、よっぽどだと思うだろう。それだけだが……」
「あたしそんなひどい顔してる? てか、元気”過ぎる”って何よ」
「しかしスティールはそんな稽古をつけていたのか。鉱石を集めるのには許可が必要だったはず。プラチナからは何も聞いていなかったが……」
 シリウスは耳のあたりをかいた。
 スティールは確かに当代1の戦士だ。
 誰より重く鋭い槍を持ち、振るうことが出来る。あれの振るう槍で王国軍を何度蹴散らしたことか。
 だがシトリンの言うとおり、シリウスにも彼に対し思うところはあったものだ。
「どちらにせよ仲間が無事なら良い」
「それには賛成だけど」
 シトリンも頷いた。
 視線をずらせば、ロータスがペンダントを取り出し、それを見ていた。
 シトリンもそれに気づき彼を見たが、ついとそっぽを向く。
 わかりやすい嫉妬だ。
 だが肝心のロータスはそれと気づいていない。
「王子の婚約者ってどんな人?」
 フェンネルが無邪気に訊ねた。
「彼女は……なんというか、素朴な人だ」
「素朴?」
「ああ。何も飾らなくてもそのままで良かった。王宮では知らないことをたくさん教えてくれたよ……そう考えると、ここでの暮らしに馴染めたのは彼女のそばにいたからかもしれないな。王宮では馬の世話すら出来なかったが、ウェストウィンドでは自分のことは自分で、ということになっていたから」
 ロータスはさりげなく話題を変える。
 おそらくそれに気づいたのはシリウスだけだった。

 その夜、シトリン達が帰った後のことだ。
 ロータスは早々天井裏に入り、はしごをどかしている。
 シリウスは星を数え、暦を確認すると灯りを消した。寝床に敷き詰めた毛皮や織物に入り込み、寒さに耐える――物音に気づいたのはそれからしばらくのことだ。
 スタスタ……とリズム良く。何かが歩いている音だ。だがかなり小さい。
 屋内か、屋外か。
 秋に収穫を忘れた小動物かもしれない、とシリウスは考えたが、おそらく違うと直感が訴える。
(誰かいるな)
 ロータスなら音の方向ははっきりしている。
 毛皮を身に纏い、静かに起きると石のハンマーを手にした。
 屋外だ。
 それも数人いる。3~4人といったところか。
 シリウスは扉を開け、ひそかに音の方向へ忍び寄る。
 屋外に作った貯蔵庫だ。
 男の影が思った通り4人。
 シリウスは小石を拾い、シュッと投げた。
 カツン、と石にぶつかり音がなる、その瞬間に後ろにいた男が振り向く。
 そこを狙い、首にハンマーの柄をひっかけた。
「誰だ?」
 喉を絞めつつ言えば、残りの3人がようやく気づいてシリウスを見た。
「おう、シリウス!」
 その声が聞こえてきたのは背後だ。シリウスは眉をひそめて振り返る。
 そこにいたのは自身と同じ銀髪の男。
 松明を持ち隠れる様子を一切見せない――細いが筋肉質な体つきは、ダイヤモンド山での活動に向いたものだった。
「スティール……」
「そいつ、離してやってくれよ」
「それは構わんが、盗みなど誉められたもんじゃないぞ」
「分かってるさ」
 シリウスは竜人族の男を解放した。
 スティールの仲間……というよりは、彼の弟分である。
「静かの森に引っ越したという話は聞いていた。上手く取り入ったもんだな」
「当主代理は盟約を覚えていたからな。お前ら、今までどこにいたんだ?」
「王国中をあちこちさ。軍の連中の鼻を明かしてやってたってわけだ。ロックランドじゃお前、大活躍だったな」
「見ていたのか?」
「ああ」
 スティールは気安げにシリウスの肩に手を回し、屋敷に入れろと言った。
 冷えた空気に5人とも参っているというが、どことなく酒くさく、体温も高い。シリウスはしかしはねつけるわけにもいかず、彼らを屋敷に案内した。
「これでこそシリウス。困ってるやつは放っておけないもんな?」
「よく言う。お前、ロックランドでの戦闘を見ていたというならなぜ手を貸さなかった?」
「どうにかなるだろうと思ったからさ。それにお前の指揮ってやつを見たかった」
「遊びじゃないぞ」
「シリウス……?」
 シリウスが鋭く言うと、ロータスが起きてしまったようだ。声を飲み込む。
「……へえ。あの時捕まえた王子様か」
「見世物じゃない。今日は寝床を用意するから、もう寝ろ」
 スティールはロータスに興味津々という態度を隠さない。
 シリウスが「いい加減にしろ」と釘をさし、ようやくこちらに視線を戻した。
「一体、どうした?」
 ロータスが声をかけながら顔をのぞかせる。
 屋敷内に5人の竜人族がいることにいささか驚いたようだが、すぐに状況を飲み込んだのか「仲間か」と言った。
「ああ。……スティールだ」
「スティール……先ほどの声は、ロックランドで聞いたままだ。やはりあなたが頭巾の……」
「リーダーってとこだ。よろしく、王子様」
「……よろしく」
 ロータスの声は固い。一方スティールはにやにやと彼を見ていた。
「ロックランドでは兜越しだったからな。こうして見るとなかなか可愛い顔をしている。あの時の剣の筋は良かったぜ、おかげで頭巾がダメになっちまった」
「それは褒め言葉か? だが、盗みを働くのは良くないな」
「シリウスにも同じ事を言われたところだ。反省はしてるさ。だがダイヤモンド山を盗んだ王国の人間に言われたかねぇな」
 スティールの皮肉にロータスは黙り込んだ。シリウスはスティールの肩を掴み、客間に案内する。
「今日は冷え込んでる。外で夜を明かすのはいい手じゃないぞ」
「そうだろうな。流石に凍え死になんて情けない目には遭いたくない。感謝するぜ」
 弟分達がベッドを確認している中、スティールはシリウスの肩を掴むと顔を近づけた。
「なあ、いい人質の選び方だ。男なら危険がないからな」
「……なんの話だ?」
「とぼけるなよ、あの顔だ。とっくに手をつけたんだろ? 男ならガキが出来る心配がない」
「お前……」
 シリウスはカッと胸が煮えるような感覚を味わった。
 勢い任せにスティールの体を押し、ぶつかった扉がその衝撃できしんだ音をたてる。
「何を考えてる。彼は王国軍との戦を起こさぬための客だぞ」
「客だかなんだか知らねえが、始めに適当なことを言って俺たちの誇りを汚した連中だぞ。その怒りを忘れたかよ? 故郷を追われて、牙まで抜けちまったのか」
 スティールは口の端を持ち上げ、シリウスを挑発してきた。シリウスは彼の胸ぐらを掴んだ手に力を込める。
「多少は発散させてもらわねえと割に合わない」
「誇りを忘れたのはお前の方だ。無実の罪のために追われ、だからといって罪を犯して良いはずがないだろう」
「そうかよ、そうやって優等生ごっこしてろよ。真っ赤な目をして、怒りを制御出来てないくせによ」
 スティールはシリウスの手を払いのけると、部屋からシリウスを追い出し扉を閉めた。
 シリウスは目に熱が昇るのをようやく感じる。
 昔からこんな症状が出るのだ。感情が昂ぶると青い目は赤くなる。
 まるで血のようだ、と父は言ったものである。
 鏡で確認すると、確かに夜でもはっきりわかるほど赤くなっていた。
 何に対する怒りか。
 スティールに対する?
 男色を疑われたことに対する?
 腹の底にため込んで、必死に見ない振りをしてきたものが、スティールの言葉によって暴れ出したのだ。
 王国軍に対する怒りが。

 元の寝床に戻れば、ロータスは起きたままでいた。シリウスが戻ってくるのを待っていたのだろう。
 自分と似た青い目は一切の穢れを感じさせない。その目で見られることが今は苦痛だった。
「シリウス。彼らは……」
「今夜はここに泊まらせるが、明日には出て行ってもらうつもりだ。だから心配はいらない」
「心配……が必要な相手ということだろうか」
「ああ」
 すぐに答えてしまい、シリウスはしまったと息をはくと自身の首をおさえた。
「……王子の言ったとおり、彼らは盗人だった。それにスティールは身体能力が高い。そこまではしごを必要としないかもしれない」
「私の身の危険があると?」
「命のやりとりだけが危険とは言えない。……餓えた男の前では、見目の良い男も対象になることがあるんだ。あるいは上下関係を作るために……理解してくれ」
 シリウスは額を抱えるようにして遠回しに説明した。英雄色を好むと言うが、スティールは例に漏れない。それに加え彼は男色も好む。
 事実弟分の多くはどことなく中性的な色気を放つようになった者が多く、一瞬戸惑う竜人族も多かったのだ。
 なぜああも、男に目覚めた男といのは不可思議な色気を持つのだろうか。
「……そういう話があるのは知っている。彼らが王国軍に対し、はっきりと怒りを持っていることも。気をつけておくよ」
「ああ。……」
 喉が熱い、とシリウスは不快感にのど元を開く。冷えた空気が流れ込み、熱を少しは取ってくれるが、その根元までは癒してくれない。
 なぜ王国軍は自分達を疑った?
 失われた命は戻ってこない。
 プラチナはもういない、仲間も。
 プルメリアは父親を奪われたのだ。
 それに苦痛の旅を余儀なくされた。冬に間に合わなければ全滅の可能性すらあった。
 自分達に無実の罪を着せ、故郷を奪った……なのに自分はその王国の王子を手厚く扱っている。
 自ら作り出した彼の境遇に同情し、彼が焦がれてやまない婚約者からの贈り物を必死に探して。
 一体、何をしているのだろう。
 これは仲間への裏切りだろうか。
 いや、ロータスは事件の犯人ではなく、そして自ら一時の和平のために人質となったのだ。
 一時で良い、無事に冬を乗り越えるための人質。
 それを失えば王国軍に大義名分を与えてしまう。人質であるロータスを手厚く扱うのは当たり前のことだ。
 だが友人ではない。
 ここまで気を遣う必要があるのか……シリウスは思考の渦に飲まれ、結局まんじりともせずに朝を迎えた。

***

 夜明けとともに皆目覚め始める。
 ロータスは馬の世話番が主な仕事となっている。この日もフェンネルとともに厩舎に出ていた。
 掃除に餌遣り、と朝の日課をいつもより早く終えて屋敷に戻った。
 今の時間ならデイジーが朝食を作っているはず――だがそこにいたのはデイジーではなく、また静かの森で見たことのない若い女性であった。
 おそらく竜人族でもない。
「……どなた?」
 先に口を開いたのは彼女の方である。
「……シリウスに聞けばわかる」
 そう答えて天井裏に戻ると、屋敷内が騒がしくなった。
 スティール達がリビングに現れたからだ。
「よお、寝れたか?」
 スティールは先ほどの女性にそう声をかけた。
 そのまま腰を抱いて彼女の手元に目をやる。
 食事の支度をしていたらしい、とはいっても持っていたのは携帯食料だ。乾燥させた肉や野菜を湯にかけてもどしている。
(彼女は一体?)
 ロータスは不思議に思ったものの、直接スティールに聞く気になれない。
 それにシリウスの姿もない。
 どこへ行ったのだろうか、と思っていると、彼が屋敷の玄関から戻ってきた。
 外出していたらしい。
「よぉ、旦那様。ここじゃそう呼ばれてるんだってな」
「スティール……その女は?」
「道で拾ったんだ。コネクションとかいうのにさらわれたんだと」
「コネクション? よく分からんが、連れがいるならそう言えよ。昨日は見かけなかったぞ」
「人に会いたくないらしい、トラウマってやつか? 荷物に紛れてたのさ。身の回りのことをやらせている。ここに置いても良いか?」
「冗談だろ。弟分も連れて今日は出て行け。家なら用意した」
「そりゃありがたい。それより、王子様はどうした?」
 シリウスは大げさなほどのため息をつく。
 機嫌が悪そうだが、表情はない。
「王子なら馬の面倒を見ている。馬は俺たちを怖れるからな、丁度良い」
「へえ。面白い話があったんだ。あんたにも王子にも聞かせてやろうと思ったのに」
「もういい、黙ってろ。皆にお前らが来たと言わないといけないから、準備しておけよ」
 シリウスの口調は今まで聞いたことがないほど冷たいものだった。
 それにしても、スティールの言う話とは何だろうか、ロータスはつい身を乗り出した。
 ギギィッ、と手すりが鈍い音をたて、全員の目が向く。
「なんだ、いたのかよ。盗み聞きなんて趣味が悪いな」
「戻ってくるのが早すぎただけだ。私に話とは何だ?」
「見下ろされたまま話す気はねぇな」
「スティール。王子、どうせ大したことのない話だ。気にしないでくれ」
 シリウスはそう言ったが、スティールの次の言葉にロータスは不意をつかれた。
「ウェストウィンドがアジュガ王子の領地になったんだよ。これでも大した話じゃないって言えるか?」
「なんだと?」
「兄上が?」
 シリウスとロータスはほぼ同時に反応した。

 スティールが来た、と静かの森の広場に皆が集められた。
 フェンネルのように無邪気に喜ぶ者は多く、シトリンのようにどこか険しい表情を浮かべる者もいる中、シリウスはそれを冷静を取り戻した顔で見ていた。
 スティールが「土産」と言って出したものを広げてみせると、シリウスは腕を組んで明後日の方向を向く。
 そのまま立ち去りそうな体勢に、ロータスは声をかけた。
「どうしたんだ?」
「いいや。どうせ盗品なのだろう……」
 わあ、と歓喜の声が広がる。ベリー家の郎党達も同様だった。
 ロータスが目をやれば、スティールが持ってきた「土産」は宝石の類いのようだった。
「これだけありゃ、しばらくカネには困らねえだろ」
「すごい、スティール。これどうしたの?」
「コネクションとかいう連中が持ってたんだよ。あそこにいる女もそう、ちょっとからかったらくれたんだよ。これで鉄なり買えば良い武器が造れる。王国軍と互角にやりあえるぜ」
 スティールが説明し、皆戸惑いながらも受け入れている。コネクションのことはベリー家の者は知っていたようで、「犯罪組織のものなら、盗品としても構わないか……?」と呟いていた。
「毛皮も薪ももっと買おうぜ。ここを開拓して広げていけば、いい工場に出来る。シリウスは流石だぜ、良い場所を手に入れたもんだ」
「手に入れたわけじゃない。あくまでも間借りしてるだけだと忘れるな」
 シリウスはついに口を出した。スティールに対して、というより、竜人族全体とベリー家郎党に対する言葉だとロータスは察した。
 彼は誇り高い人物なのだから。
「だったら買えば良い。カネがいるなら取ってくるぜ」
「カネを出せば何でも出来るもんじゃない。ダイヤモンド山は俺たちにとって他にない故郷だ。ベリー家の者にとってここはそういう土地だろう? 勝手に開拓して許される問題じゃない」
 シリウスの声は鋭く、浮かれた様子の竜人族は驚いて宝石を落とした。
 それが転がってロータスのつま先までやってくる。
 見事なカットの赤い大粒の宝石。周囲は小粒のダイヤが埋め込まれた銀細工で、ブローチになっていた。
 拾い上げて太陽光に透かす。色の出方、色の散り方、そして銀。
 本物に間違いない。
 そこに印があった。きらびやかな華の印。
 ロータスは目を見張る。
「これは姉上の……?」
 ロータスの呟きは誰の耳にも入らなかったようだ。
 シリウスはつまらない、と言わんばかりにきびすをめぐらせる――その時スティールが彼の背中に声をぶつける。
「そうそう、土産はこれだけじゃない。こんなのもあるんだ」
 シリウスが上半身だけ捻って彼を見る。
 スティールは皆の視線を集める中、布に包まれた一本の細長いものを取り出した。
「こいつだよ。族長の証」
 布がしゅるしゅると解かれていく。太陽の光を浴びて、まぶしさに誰もが目を閉じる。
 歓喜の声があがった。
「ダイヤモンドの槍だ」

次の話へ→Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第10話 二人のリーダー

 

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