Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 小説

Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第4話 異郷のもの

 竜人族の戦士達に挟まれるようにして、彼らと共に静かの森に入る。
 噂には聞いていたが、静かの森は清らかな空気を放っているように感じる。その一方で侵入者を飲み込んでしまうかのように木々は乱立、根は柵のように盛り上がり天然の要塞のようだった。
「これで迷えば命に関わりそうだな……」
 そう呟くように言うと、シリウスが振り返る。
 彼はロータスの両手首を縛るよう言ったものの、他に拘束することはしなかった。
「ああ。ベリー家の案内がなければ、普通の人間では厳しいだろうな」
「ベリー家……。だが竜人族の避難者がこれほどの人数とは報告になかった」
「そうだろうな。俺たちが夜闇に紛れれば、お前達では見つけられない」
「予想以上に防備も武器も揃えられていたのはそのためだったのか」
「そういうことだ」
 ロータスの問いに、シリウスは淡々と答える。
 言葉はつっけんどんだが、彼の態度は意外にも穏やかだ。
 歩いている内にロータスは胸がざらざらになったように感じ、喉が張り付くような不快感を得た。だがここで弱みを見せたくない、と咳払いをして唾を飲み込む。
 疲労感のせいか、いつもの不調が現れそうだ。
 歩調を緩めわずかに背を丸める。
(人質となるのか……)
 ふと考えがそこに至り、足が重くなった。
 悲嘆に暮れるというより、情けなさの方が強く感じる。勇んで戦に挑んだというのに、さっそく黒星を得て人質となった。
 これでは皆に顔向け出来ない、せめてここでのことを報告にあげられるよう、つとめるか――そう決意した瞬間、うっとこみ上げ、背を丸めるとゴホゴホと咳き込んだ。
「おい?」
 竜人族の男がロータスを覗き込む。眉を寄せた顔が目の前にあるが、視界が歪んでよく分からない。
 両手を縛られたまま、その布を噛むようにして咳き込めば、そのまま肩に担がれてしまった。
「な、ちょっ……」
「おい、シリウス。王子が弱ってる」
「何?」
「お、降ろせ。何をする?」
「どっちにしろこの方が良い。目隠しすれば静かの森の入り口もわからんだろ」
 それもそうだ、とシリウスは頭に巻いていた布を取り、ロータスの目を隠すようにかぶせた。
「おい、やめろ……うっ」
 抗議したいが胸の圧迫が苦しい。咳き込めば言葉にならなかった。
 視界が遮られたまま時間が過ぎた。
 おそらく夜になった頃だろう。ロータスはようやく降ろされ、目隠しを取られた。
 屋内。目の前には暖炉がある。
 ロータスはソファの上に座らされていた。ロータスを担いでいた男が出て行く。それと入れ替わるようにしてシリウスが目の前に立った。
「ここはベリー家の屋敷だ。生活に不自由はない、と思うが、俺には王族の暮らしは分からん。何かあれば言ってくれ」
「私は人質のはずだが……」
「人質に死なれて困るのはこっちの方だ。それに王国を恨んでるわけでもない。何か質問は?」
 シリウスの目はまっすぐで、やはり落ち着いている。
 深い青の目を、見た、とロータスは思った。
 そう、戦場で。
「あの頭巾の一団は?」
「頭巾?」
 シリウスは首を捻る。
「あなたと同じ、青い目、銀髪の……」
「銀髪は竜人族では珍しいものの何人かはいる。先代の族長、プラチナもそうだった。だが例外のように、王子のような者もいるようだ。竜人族かは俺には分からない」
「まさか。裸足だったし……つむじ風のように現れては消えていった。人間離れしている」
「時としてそういう人間もいるだろう。だが、まあ、俺たちの仲間かもしれないな」
「そのはずだ。私を見て、『お仲間かと思った』と……」
 ロータスはまたせり上がってくる不快感に目を閉じた。咳き込んで空気を慎重に取り入れる。
「……体が弱いのか?」
「放っておいてくれ」
 ロータスは視線を背け、床の木目に目をやった。だが、シリウスは頭巾の一団を知らない様だった。もしそれが本当なら、竜人族はまだまとまっておらず別の一団は王国とことを構える用意があるのではないか?
 ロータスがそれと気づいて顔をあげると、水差しを手にしたシリウスと目が合った。
「あ、あなた達はまだ全員集まっているわけではないのか?」
「……ああ。だが静かの森に集まるよう、皆で手分けして仲間を探しながら呼びかけている。まとまるのは時間の問題だ。何せもう、冬が来る……」
「では私が人質となったところで、戦争への抑止力は……」
「少なくとも俺たちには有効だ。竜人族の人数を数えているが、俺たちが最も多いはず。流石に少人数で王国軍と対峙するのは危険だと、スティールもわきまえているはずだ。それに冬になるしな。俺たちは総じて寒さに弱い。王国軍も承知のことだろうが……」
 シリウスはゆったり立ち上がると、ロータスに水を差し出した。
「毒など入っていない」
「別に疑っていない」
 ロータスは一気に飲み干す。乾燥でざらついた喉に染みるようだった。
「それから、竜人族の方で狼藉を働こうとするなら、俺たちが必ず止める」
「なぜだ? 王国が恨めしくないのか?」
「……一部恨んでるやつはいる」
「あなたは違うと?」
「ああ。少なくとも良い時期もあった。良い奴もいた。それは確かだ」
「……」
 ロータスはシリウスを見ていたが、彼の態度に揺らぎはない。静かに目線を下ろすと、圧迫されたような胸の不快感とは別に、何か腑に落ちる感覚が生じる。
 兄の代わりに人質となった価値はあるのかもしれない。
「……わかった。あなたのことは信じよう」
 そう言うと、シリウスは目尻をわずかに下げた。
「ああ。協力してくれると助かる。身の安全は保証するから、逃げたりしないでくれ。それから誰も傷つけないとも。何かあった時、勇敢な王子を殺したくない」
 シリウスはやはり穏やかな声でそう言って、ロータスの手首を解放する。
 部屋に案内する、とシリウスが向かった先は天井裏だった。
 背の高いシリウスの頭すれすれで充分に高い。
 小さな明かり取りの窓が一つある程度、下へ降りるためのはしごも一つ、と開放的な間取りだが確かに見張るにはおあつらえ向きの部屋となっている。
「まさかとは思うが、自決もしないでくれよ。刃物はもう持っていないよな?」
 ロータスは投降の際に剣も弓矢も差し出している。それに準ずるものはないはずだ。と、思っていたが、シリウスの手が胸元に伸びて細い鎖を掴んだ。
「……ペンダントか」
 さらさらと流れるような繊細な鎖がシリウスの手に流れていく。クレマチスの花が彼の分厚い手のひらに落ちた瞬間、ロータスは思わずそれを払いのけた。
「これで自決は出来ないだろう?」
「確かに、細すぎるな。そんなにムキにならなくて良いだろう?」
 シリウスは頭をかくと、そのままはしごを降りていった。
「夜食の準備をさせる」
 そう言って屋敷からも出て行ってしまった。
 ロータスはどっと体の力が抜けるのを感じた。それと同時に動悸のように鼓動が早い。
 高熱が出たわけではなさそうだが、体の芯が熱くてたまらない、と今ようやく気がついた。

***

 夜食を作らせ、それを受け取ると屋敷に戻る。
 シリウスは静かな室内に自分の床を踏む音だけを聞いていた。
 ジャスパーなら王子の呼吸が聞こえただろうか?
 もし彼が自決するつもりなら今だろう。
 前もって屋敷内の刃物は遠ざけたが、いざとなれば舌を噛むこともある。
 ある種の緊張感に神経が研ぎ澄まされていた。
 わずかな月明かりの下、屋敷内の最低限の灯りの中で彼の影がゆっくり上下しているのを確認すると、シリウスはようやく息を楽にした。
 兄の代わり、と迷わず人質になると言ったほどの胆力の持ち主だ。
 もし何かあれば、自分の命を投げ出すことも厭わないのでは、とシリウスは思った。
 それは強さなのか逃げなのかは分からないが。
「王子、食べられるか?」
 戦での疲れ、長距離の移動が重なっている。普段より食べなければ倒れてしまうだろう。
 塩の利いた干し飯と鹿肉の粥だ。
 はしごをのぼり床をノックする。返事はなかった。
 寝ているらしい。
 見れば見るほど整った顔立ちだ。
 どことなく似てはいるがアジュガより線は細く、しかし芯の通った感じは竜人族にいそうな見た目をしている。
 彼が話していた「頭巾の一団」とやらをシリウスは知らない。だが、確かに裸足、銀髪、となると竜人族の可能性が高いだろう。
 つむじ風のよう、と来ればまさか竜人族当代一の戦士と名高いスティールかもしれない。
 彼とはプラチナを失ったあの日以来だ。
 しかし、敵がそばにいるというのに、ここまで寝られるというのも考え物だ。
 王子は相当に肝が座っているのか、それとも隙だらけなのか。
 試しに顔をのぞくように側に肘をつくと、ロータスはわずかに顔をしかめて寝返りをうってしまった。
「……フッ」
 ずいぶん、隙だらけだ。
 流石に温室育ちといったところか。
 シリウスははしごを降りると自身の首をぽんと叩いた。
 世話役をつける必要がありそうだ。
 ベリー家の者がどこまで信頼出来るかわからない。これ幸いと王子を逃がし、王国とよしみを通じるかもしれない。
 竜人族の者がやはり適任か、と思ったが、いっそ両方から選べば良いのではと至り一人頷いた。
 こうなれば婿の立場を活用すれば良いのだ。

 朝が来るとシリウスは早速人を集めた。
 ロータスの世話役――兼護衛、兼見張り役となる者を選ぶ。その呼びかけに集まったのは女ばかり6名だった。皆自ら手をあげたというよりは、誰かに勧められたといった体である。
 一人をのぞいて。
「はいはい! あたしがやるやる!」
 と、手をあげたままぴょんぴょん飛び上がっているのは竜人族の戦士でもあるシトリンだ。
 19歳になる彼女は年頃らしい体つきになり、それを強調するかのようにへそを出し、太ももを出し、と一部から目のやり場に困ると言われている少女であった。
「シトリン……」
「護衛でしょ? あの王子様を守れば良いんだよね? だったらあたしに任せといてよ~!」
「お世話をするんだから、そんな槍は必要ないんじゃないかい?」
 と、シトリンを諭すように言ったのはベリー家に仕えている女だ。白髪まじりだが体は丈夫そうで、きっちり意見を言うあたり見所のある女性のようだ。
「そっちは?」
「あたしかい? デイジーだよ」
「デイジー。子育ての経験は?」
「あるとも。息子はベリルお嬢様の遊び相手だった」
「なら丁度良いか。王子は体が弱いようだ。よく見てやってくれ」
「……わかったよ。で、この子は?」
 デイジーの視線を受けたシトリンが目を輝かせた。
 シリウスは自身のうなじのあたりをかくと、「……そうだな。まあ、いいんじゃないか」と答えた。
 嬉しそうな様子のシトリンを尻目に、シリウスはデイジーを呼び寄せた。
「旦那様、何か?」
「護衛は護衛だが、見張りでもある。それとなくあの子に教えてやってくれないか」
「ご自分でやればいいんじゃないですか? 言わなくてもいい気もしますけど……」
「シトリンは、なんというか……」
 シリウスは自身の頭を指さし、首をふる。
 シトリンは素直、単純で明るいのが長所だ。そして短所でもある。
 デイジーは口をへの字に曲げながらも頷き、シリウスの背中をバシッ、と叩いた。
「しっかりなさいませ、旦那」
「すまない」
 手早く世話役を決めると、屋敷内に二人をともなって入る。
 ロータスは起きていたようで、天井裏から顔を出していた。
 はしごは外してあったためどう降りるか考えていたようだ。
「すまない、王子」
 シリウスがはしごを用意すると、ロータスは息をふーっと吐き出し降りてきた。
「世話役をつけるから、今後用があれば彼女らに」
「世話役? 私は子供じゃな、い……」
「シトリンです! よろしく王子様~!」
 睨むようにしたロータスの言葉をかき消し、シトリンが満面の笑みで彼に向き合い手を取った。
「わ~ぉ、意外とごつい手。あっ、マメもつぶれてるね。何かやってるんだ。得物は何? あたしは槍だけど命中しないってよく注意されてる」
 シトリンの早い口調にロータスは完全に面食らった様だ。目を見開き言葉をなくしている。
「シトリンちゃん、ちょっと落ち着きなって。王子殿下、あたしはデイジー。体調はいかがですか? 食欲は?」
「あ、え……ああ。その前に身支度したいのだが……」
 ロータスは何とかそう言うと、自らの服をつまんで見下ろしている。彼が着替えなど持っているはずがない。あれば王国軍の陣営だろう、シトリンとデイジーは顔を見合わせるとすぐに屋敷を出て行った。
 シリウスとロータスでは体格がかなり違う。服を借りてもぶかぶかだ。
「……別に世話役は必要ない。身の回りのことくらい、自分でやるさ」
「そう言うな。ベリー家にも色々あるだろうし、竜人族にも色々あるんだ。デイジーはベリー家当主代理の知り合いだし、シトリンは単純だから問題ない」
「……つまり見張りと護衛を兼ねていると」
「話が早くて助かるよ。ところで体が弱いのか」
 シリウスがそれを言うと、ロータスは表情をすぐに引き締める。
 体が弱ければ人質としてどこまで役目を果たせるか、それは彼自身の価値となる。
 確かに「何かあったときの損失」と彼自身が言っていた。
 しかしシリウスにしてみれば、彼の生死はこちらの生死にも関わるのだ。隠されると困る。
「生まれつきだ。今はそれほど問題ではない」
「だが咳が続いていたな。秋だからか? 冬が来る前にこっちの生活に慣れてくれよ。君が倒れたら人質としての価値がない」
「分かっている。それで倒れるほどヤワじゃない」
 シトリンが戻ってきた。彼女は足音を消すことをしないため、よく分かる。
 勢いよくドアが開かれたかと思うと、水たっぷりの桶をロータスの前に差し出した。
「はいっ、王子様! 体を拭くのも手伝いましょうか? あっ、それから後であたしたちが沐浴で使ってる滝壺に案内するね!」
「シトリン、あそこは女専用だろ」
「固いこと言わないでよ、旦那!」
「王子を連れて行ったら食われるのは王子の方になりそうだ」
「やぁ~だぁ! そんなことしないよ!」
 シトリンは顔を真っ赤にするとシリウスの肩を思い切り叩いた。鞭のようにしなる打撃だ、とシリウスは顔をしかめる。
 しかし肝心のロータスは意味が分かっていないらしい。とにかくシトリンを見ると困ったように眉を下げていた。
「一体……」
「あっ、ねぇねぇ王子様。着替えは今デイジーのおばちゃんが持ってくるから待っててね。それから部屋の掃除もするからぁ」
「いや、お構いなく。自分でやるから……」
「そう遠慮しなくて良いってば~。お客だからって旦那に言われてるし、そんな雑にはしないから安心してよっ!」
 シトリンは桶をロータスに渡すと、さっそく掃除道具を取り出しはしごを軽々登っていく。
 ロータスは口を開けて彼女を見ていた。むき出しの太ももが丁度目線に来ると目を背けてしまったが。
「王子、シトリンは安全だから」
 シリウスがそう言えば、ロータスは頭痛でもしたかのように頭を押さえてしまった。

 シリウスはロータスを連れ、森の中の集落を案内していた。
 竜人族の中にはロータスに冷たい視線を投げる者もいたが、シリウスと一緒だからかヤジを飛ばすことはせずにいる。
 戦士達は自ら兄の代わりに人質になった、とどちらかと言えば好意的に見ているようだ。
 それなら良い。
 王国との関係がこれ以上こじれてしまえば、竜人族は存続の危機に陥るだろう。
 どこかで妥協することで未来が紡げるならそれが良いはずだ、シリウスはそう考えていた。
 人間の子らと遊んでいるプルメリアがこちらに気づき、駆け寄ってきた。
「シリウス。王子様を捕まえたって聞いたよ」
 ボールを両手に持ち、見上げてくるプルメリアにロータスを紹介する。プルメリアは子供らしからぬ厳しい目をロータスに向けた。
「ふうん」
「挨拶しろ」
「プルメリアだよ。よろしく」
 叱られてむくれる彼女の前に、ロータスは膝をついて目線を合わせた。流石に王族だ、流れる様な所作である。
「ロータス・レインだ。よろしく」
 差し出されたロータスの手と、彼の顔を見るとプルメリアは「ふんっ」と鼻を鳴らしてそっぽを向いた。白い頬に赤みがさすのをシリウスは見逃さなかった。
「嫌われたようだ……」
 ロータスは立ち上がり膝の土を落とすと首をふった。
「照れてるんだ」
 シリウスはこっそりそう言ってロータスを促した。
 後をシトリンがついてくる。
「ところで、ベリー家と同盟……を結んだのだろう? 当主代理と言っていたか。その方はどちらにいるんだ?」
「今はいない。帝都に向かった」
「帝都へ……では皇帝陛下にお会いになると?」
「そういうことだ。今回の戦闘、そのいきさつを説明に……」
「待ってくれ、では竜人族の主張を奏上すると?それはあまりに公平さに欠ける」
「だが皇帝の親戚なんだから王国側の方が容易だろ? 公平と言うが、それなら俺たちの方がよっぽど不利だ。ベリー家は没落し、頼りとなっている当主はあくまでも代理でベリー家自体、人数も領地も少ないこの有様だった」
 シリウスの指摘にロータスは言葉を詰まらせた。
 眉をひそめ、下を向いてしまう。
「なぜそう心配するんだ? アイリス国王は皇帝とはよしみがあるんだろ?」
「いや……皇帝陛下と我が父は……」
「不公平かどうかはわからないが、帝国には特殊捜査機関とかいうのが出来たそうじゃないか。きっちり捜査してもらえば良い話だ。誤解が解けたら、この馬鹿馬鹿しい戦は終わるだろう」
「なぜそうはっきり言える? 戦を仕掛けたのはあなた方だったろう」
「俺たちが? まさか。竜人族はそんな野蛮なことはしない。プラチナも平和主義だったくらいだ」
 ロータスはシリウスを見つめたまま、じっと黙り込んでしまった。瞳が揺れている。
「何がそんなに気になるというんだ? 俺たちに恥じることは何もない」
「使者を殺したわけではないと」
「ああ。農民に被害が出たのは……事故だった。それに関しては俺たちも……」
 言葉が出てこず、シリウスは唇を噛んだ。同情とも哀れみとも言えない。
 ロータスはしばらく眉を寄せたままにしていたが、首をふってまた顔をあげる。
「竜人族全体が悪いわけではないはず、と……彼女も言っていた。腑に落ちない戦だと……」
 ロータスは思い出すようにそう呟き、胸元を探るようにさする。あのペンダントを掴むと大切そうに手の中に納めた。
「……まだ私たちには知らなければならないことがありそうだ……」
 小さな声だった。
 だが確かな決意に満ちていた。

次の話へ→Tale of Empire ー復活のダイヤモンドー 第5話 変化する流れの中で

 

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