Tale of Empire -白樺の女王と水の貴公子ー 小説

Tale of Empire -白樺の女王と水の貴公子ー 第15話 新たな壁

 どこか冷たい空気が、肌に張り付くようになってきた。
 春の空は少しづつその様子を変えてきている。
 オニキスが思うのは、雨期に悩めるウィローで川に携わった日のこと……ではなく、未だ見ぬ北国のことであった。
 ホリーで領主としての責任を感じながらも違和感の募る日々。
 村人の持ってくる是非を問う書類に印を押し、村の運営のため必要な事柄を整理してゆく。
 村人はオニキスの存在を認め、慕うような笑みを向けてくる。
 オニキスも領主としての役目にも慣れ始めた、じめったさがしつこいある日のことだった。
「学校に取り入れたい授業がありまして」
 村でも有力者であるフロンドにそう声をかけられ、断ることも出来まい。
 オニキスは話し合いがされるというフロンドの邸を、4人の私兵をともなって訪れる。
 昼間に時間が取れなかったため、泊まりがけとなった。
 邸では豪勢な食事が並び、ホリーのワインでも最高、と謳われる年代のワインが注がれた。
「授業とは?」
「まあまあ、まずはゆっくり食事でも」
「いや、早く片付けたい仕事がある」
「一息いれた方がはかどるものですよ。妻が腕によりをかけて用意しました。いずれもホリーで採れる食材、伝統料理なんです。ぜひ召し上がって下さい」
「……」
 村の味、というものを知っておかなければならないというのはあるだろう。
 ここまですすめられて断るのも気が引ける。オニキスは気を取り直して席に座り直した。
 野菜をブドウの種から絞った油で素揚げしたもの、それに果物を使って作られたドレッシングがかかっている。
 メインは羊肉のステーキ、スープは春野菜を3日かけて煮込んだものだ。
 その場にいるのは家の主であるフロンド一人。料理を運んでくる下働きの女性達がいるものの、以前のように兵士にしなだれかかるようなことはない。
 燭台の火が唯一の灯りだ。
 自然と空気はゆったりしたものになる。
「ホリーの歴史をご存じですか?」
 フロンドがそう口を開いた。オニキスは頷く。
「流れを話で聞いた程度だが」
「そうですか。ここは首都でも、東に行けばウィローへ通じる川があり、南へ行けばエリカへ通じる草原があります。交通の要衝だったのですよ。それでいて農作物はよく育つ。街にはならなかったものの、帝国にとっては重要な土地でした」
「だからこそ誘拐事件の舞台にもなったわけだな」
「ええ。本来なら、もっと防備を固めておくべきでした」
「なぜそうしなかった?」
「下手に軍事力を持てば、帝国軍に目をつけられる可能性があったのです」
「それは信頼関係を構築することを放棄したから疑われるのだろう」
 オニキスがずばり言えば、フロンドは顔には笑みを浮かべながらも頭をふる。
「政治を仲良しこよしの問題とお考えですか?」
「そんなお友達思考は持っていない。だが政治といっても人と人だ。利害も信頼も全て関わってくる。依存すれば当然、切るだろう」
「どちらがですか?」
「どちらもだ。依存する者は欲しいものをくれない相手に容赦なく罵声を浴びせる。依存された者は共倒れになる前に相手を放っておくほかない」
「それで良いのですか?」
「放っておくだけだ。捨てるのとは違う」
「曖昧ですな」
「そうか? 言葉をちゃんと理解すれば違いはわかるだろ?」
 フロンドはワインを口に運び、グラスを戻した。そのふちをじっと見つめている。
「何か言いたげだな」
「ええ。あなたはお父上とも違う性質をお持ちのようだ」
「どうかな。結局は同じだ。父が潔癖だったように、私も潔癖なのだろう」
「綺麗すぎる水に魚は棲めません」
「知っている。だが弱みを握って利用するのも、利用されるのも、いずれも破滅しか呼ばぬ」
 沈黙がおりた。
 オニキスは彼の目をじっと見つめた。皺がよる目尻は宮殿で見たものと似ている。
 彼もまた何か抱えているようだ。
「あなたは領主だ」
「ああ」
「そして皇帝陛下の寵臣でもある」
「それは父の方だな。私はただの七光りだよ」
「まさか……バーチ女王の教師をしたのでしょう。女王殿下は姉思いの陛下の大切な姪御です。その彼女に知恵を授ける役目など、寵臣にしか許しませんよ」
「陛下は公平中立なお方だよ。それに、私が授けたのは知恵ではなく知識だ。教科書に書かれていることを口伝えするだけ。誤解はいけないな。ボタンの掛け違えはたった一つでも影響は底知れぬ」
「ええ。正しくボタンを掛けたいと思うものです」
 フロンドの曖昧な表現にオニキスは飽きてきた。
 彼は何を企んでいる?
「……ホリーは確かに、ただの村だが重要な位置にある。難しい問題もあったのだろうな」
「そうです。帝国もそれと知っているはず。だから出身者であるお父上を大臣に、そして爵位を与えて封じられたのでしょう」
「まるで父が帝国とのくさびになったかのような言い分だな」
「はい。そしてもう一つのくさびの必要を、我々も感じているのです。帝国にそれほど不満はない。帝国に疑われるいわれもない」
 オニキスは彼の言いたいことが大体理解出来た。オニキスを父につぐ新たなくさびにしたいのだ。
 帝国に対する人質、帝国に対するあしがかりのようなもの。
「それは構わぬ。私もそのことに不満はない」
「それだけですか?」
「どういう意味だ?」
「あなただけで充分でしょうか? 失礼ながら、あなたには守るべき対象がいないでしょう。それでは弱いのではありませんか」
「なるほど? それで、何が目的なのだ」
「私には一人娘がおります。マーガレットといい、従順で、事情を話したら頷きましたよ」
 オニキスは燭台の火が揺れるのを見た。
 自分のか、相手のものか、呼気が乱れたのだ。
「つまりお前の娘をめとれ、と」
「ええ」
 オニキスは奥歯がギシギシするのを感じながら、フロンドの顔をじっと見た。
 穏やかな表情ながら目を一瞬も逸らさない。なかなか強かな男のようだ。
「……彼女に悪いと思わぬのか?」
「あなたのことを話したら、素直に頷きました。容姿端麗、皇帝陛下の覚えめでたく、領主であり誘拐被害者を救った村の英雄でもある。ゆくゆくは大臣だ。何が不満でしょうか」
「さあ。私の素顔など知らぬだろうに。こんなことを言っても仕方がない。この話は聞かなかったことにしよう」
「左様ですか。夜ももう遅い、食事はお開きに」
 フロンドはこともなげにそう言って、下働きの女性を呼ぶと部屋を用意するよう命じた。

 オニキスは客室に案内され、寝心地の良さそうな柔らかいベッドに腰をおろした。
 ブーツを脱ぎ、ベルトを緩める。
 持ち物は全てベッドのすぐ側に、短剣を枕の下に忍ばせると髪をほどいた。
 いつか来るだろうと思っていた縁談だ。
 体面さえ保てれば良い、そんなものだと考えていた。
 だが、いざとなるとうんざりする気分が勝る。
 ベッドの頭上には窓。
 出ようと思えば出られる。それを確認すると横になり、目を閉じる。
 眠るつもりはなく、ただ体の疲れを解けば良いのだ。そうと決めしばらくが経った。
 星の位置を見れば、さきほどの食事から2時間が過ぎたころだろう。
 ドアが開かれ、オニキスは神経をそちらに集中させた。目は閉じたまま足音を聞く。
 軽い足音だ。隠す様子はなく、しかし遅く歩いてくる。
 女のものだとすぐにわかったが、オニキスは短剣の柄を握って待った。
 ベッドの側に気配がする。それに、なんとも言えない甘い匂い。花のような……。
(何か仕込んでいるな)
 仮面舞踏会の時と似た匂いだ。そうと気づき、オニキスは警戒を強めた。暗殺ではないだろうが、タチが悪い。
 女が床を踏みしめた。
 近い。
 オニキスは短剣を抜いてすぐに起き上がる。女が息をのむ声が聞こえ、次の瞬間にはベッドに彼女を押し倒した。
 暗くて見えない。が、かなり細身だ。もしかしたら女というより少女かもしれない。
「しーっ」
 と、月明かりにきらめく短剣を鼻先に見せてやりながら、あやすように言った。
「騒がぬように」
「……あの……」
「分かっている。父君に言われてここに来たのだろう?」
 なるべく柔らかい声で言うよう心がけ、短剣を背に隠した。
 押し倒した手はそのまま、ゆっくり体を離すと彼女はそれに従うように上体を起こす。
 わずかな月明かりに横顔が見えた。
 幼さの感じる頬だが、妙齢の女性だ。
 表情らしい表情は見えない、人形のように整った顔立ち。
 父に、と言われて否定しないようなら、ここの娘か。マーガレットという名だったはず。
「夜とぎは不要だ。帰れ」
「でも、父に言われて……」
「何と言われた?」
「殿方の好むようにしなさいと」
 オニキスは舌打ちをすんでの所で止め、彼女の手をひいて立たせる。距離を取るよう言って、窓を開けた。夜風が入り込んで匂いをごまかす。
「私はこういう趣向が嫌いだ」
「お気に召しませんか」
 彼女は寝間着の胸元のリボンをゆるめた。一切の恥じらいも戸惑いも見せない。
 月のせいか、青白いほどの乳房が見え隠れする。
「ああ。気に入らぬ」
「では、どうしましょう」
「帰るよう言ったはずだが」
「それは出来ません。父に怒られます」
「では私が説明してやろう」
 オニキスは彼女の手首を取って部屋を出た。
 わざと足音を立てて邸を歩く。
「フロンドはどこだ?」
 声を荒げて言えば、慌てた様子で下働きの女性が出てきた。
「どうされましたか?」
「ここの主人はどこかと訊いている。こんな真似をして、恥知らずだ」
「お、お嬢様? あの……」
「今ならここでのことは黙っておいてやる。見逃してもやろう。だが二度目はない」
 オニキスがそうどこかにいるフロンドに向かって言えば、廊下の向こうから髪を乱した彼が顔を出した。
 わずかに目を見開いているが、オニキスと娘の顔を見ると表情を取り繕う。
 オニキスは彼女を主に突き返した。
「聞こえていただろう。不愉快だ、私は帰る」
「娘に手を出したのでは?」
「何だと?」
「こんな姿になって、かわいそうに。何をされた?」
 フロンドはマーガレットをさも哀れんで見せ、抱きしめると頭を撫でた。オニキスをじっと見ている。
「まだ嫁入り前ですぞ」
「この期に及んでそれを言うのか」
「お父様」
「お前は黙っていなさい」
「いや、話せ。黙らせるな」
 オニキスは父子を交互に見た。二人ともオニキスをじっと見るとそのまま表情を固めてしまう。
 下働きの女達が口も出せずに壁に押し下がった。
「あの……お父様。申し訳ありません」
「もう話すな。怖かっただろう」
「はい。だって、失敗したら怒られる……」
 マーガレットがそれ以上言う前に、フロンドは彼女の口を塞いで背に隠してしまった。
「領主様、いくら何でも大事な一人娘に手を出されては困りますな」
「ほう。ならばその娘がつけているその香りはなんだ? どうせ催淫効果のある花油か何かだろう。既成事実をつくってでも結婚を迫るつもりか」
 主の顔色が変わった。
「一人もこの邸から出すな」
 オニキスは私兵に聞こえるよう大声で言い、一人を家に飛ばすと全員をリビングに集める。
「ここまでするのですか」
「当たり前だ。ボタンの掛け違えは早急に正さねばならぬ」
「大げさな……娘があなたに迫っただけ、そう言えば満足でしょう?」
「よくそんなことが言えるな」
 オニキスはぼーっとした様子のマーガレットを一瞥し、ソファに腰掛けると油断なく彼らを見渡した。
 私兵達がそれぞれ邸内を見回り、問題ないことを確認すると見張りにつく。
 まんじりともせず夜を明かした。

***

 朝になると、グレイが私兵をともなって邸を訪れた。
 下働きの女が案内し、オニキスは父の顔を見るがすぐに視線を主に戻す。
 事情を説明する皆を横目にしながら、オニキスは一言も口を出さなかった。
 同じようにしていたのはマーガレットだけである。
「話は大体、分かった。どうであれオニキスとご息女との間に何もなかったことは確かなようだ」
「何もなければ無罪というわけではありますまい。私はご子息に期待をかけていたというのに、とんだ裏切り行為ですぞ。娘に恥をかかせて放免などと……」
「旦那様、恥をかかせたならば自ら罪を言いふらすものでしょうか。第一オニキス様のお部屋から二人は出てきたのですよ。ご息女の部屋はこの邸の離れ、誰が気づいて手籠めにするというのですか」
「落ち着きなさい。彼女の姿を、昨夜見た者は?」
「おりません」
 一瞬静まりかえり、グレイは呼吸を整えるとフロンドに向き合った。
「悪いが、何も証拠とするものもなく判断しきれん。この邸を調べたいのだが構わぬか」
「それはいささか横暴と言うものではありませんか。たとえ領主であっても領民の私生活に立ち入るなど……」
「しかし罪があるかどうか、それははっきりさせねばならぬ。それに、ここにいる者は皆昨夜は寝ておらぬ。一度休ませる必要もあろう?」
「その間ここを調べるのはあなた方ですか? それではこちらが不利です」
「帝国軍に仲介してもらうつもりだ。それなら良いだろう」
「帝国軍だとて信頼出来ませんな。賄賂しだいで動く連中もいるのですよ」
「よく知っているな、まるで付き合いがあるかのようだ」
 オニキスは態度を崩さすそう言って立ち上がる。
「調べられると困ることでも?」
「まさか……」
「何が望みだ? お前は自分の娘を私の妻に据えようとしていたのだろう? 夜の間に意見を変えるのには事情がありそうだ」
 オニキスはマーガレットを見た。
 疲れ果てた様子で向かいのソファに座り込んでいる。捨てられた人形のような無残な姿だ。
 どうしてか彼女には生気というものが感じられない。
「まあ良い。ご息女は休ませてやれ。昨夜からずっと様子がおかしい」
 そう言うと、下働きの女が彼女の手を取って立たせた。
 マーガレットは弱った様子を隠す気力もないのか、足を引きずるようにして退室してゆく。
「オニキス、お前も休め」
「このくらいでへばることはありません」
 怒りで頭が冴えてゆく感じさえしている。フロンドの顔を見ると、彼は一瞬だけ肩を跳ねさせ視線を外した。
 やましいことがあるのだろう。
 その証拠を掴んでやる。
 彼の娘がつけていた花油が何かキッカケになるかもしれない。
 オニキスはそれと目星をつけると下働きの女に声をかけた。
「ご息女には香水・香油の趣味があるのか?」
 下働きの女はオニキスに声をかけられ、はっと息を飲むと緊張のために体を縮こませた。
「趣味があるかどうかを訊いている」
「えっ、あの……なかった、はずです。花で体調を崩されるくらいなので……」
「ないのだな。よくわかった」
「花がどうかしたのか?」
 グレイがそう訊いてきた。
「彼女の体から花の香りがしたのです。花油か何かでしょう。かなり濃い」
「そうと知っておられるなら、あなたが用意したのでは?」
 割って入ったのはフロンドだ。オニキスは彼をじっと見据える。
「私が持ち歩く理由はなんだ?」
「女性を口説くためでは?」
「花の香りでなぜ女性を口説ける?」
「催淫でしょう。花油にはそれを狙ったものがありますからな」
「博識だな」
 オニキスがふんと鼻を鳴らすと、フロンドははっと口を覆う。
「だが、言いがかりだ。娘は花を嫌う。ならば余計に娘がつける理由がない」
「では私が持ち込んだと言い張るのだな? しかし、たかが花油だろう、効果も出るかどうか疑わしい。なのになぜこだわる。娘はつけていないのなら、捨て置けば良いはずだ」
 オニキスがそう言うと、フロンドはぐっと眉根を寄せた。
 娘が花油を持っていないとしたら、彼のテリトリーにそれが置かれているはずだ。オニキスはあたりをつけて話を切った。
「いったん、休憩としよう。このままでは平行線を辿る一方だ」
 オニキスは立ち上がり、私兵に飲み物を用意するよう命じて窓を開けた。
 邸から出られる者はいない。下働きの女も朝の支度のため動き出した。

***

 グレイは休息のため、私兵の一人とリビングを出ると大きな窓辺によった。
 外では鳥が野原を歩いている。途中、石のそばをつつきだした。えさ場を探しているのか。
 新しいリーダーが登場すれば、何かと動き出すものだ。
 すり寄る者、蹴落とそうと思う者。それぞれ思惑を持って。
 オニキスもその洗礼を受けていると言えるだろうが、彼は才はあってもリーダー向きではない。むしろそれを守り、支える立場の方が似合っているのだ。汚い部分を知りすぎている。
 汚れ仕事ならやるだろう、だが汚れた部分を捨て置くままに考えられないのだ。
 守る立場にいるから。
 そうなったのは、おそらくグレイを見てきたからだろう。
 彼にこそ「ヒソップ」の名が相応しい。
 そう思えば思うほど、グレイには彼が哀れだった。
「哀れな子だ」
「若旦那さまは同情を嫌います」
「親としての哀れみは、周囲の同情とは違うのだよ。能力があり、高潔であるほど孤独になっていく。あれは誰かと理解し合えるだろうか。もしいたとしてもわずかだろう」
「旦那さまがいらっしゃいます」
「私であっても、もう無理だろう。哀れには思えても、心底理解してやることは出来ない」
 グレイがため息をともに吐き出した言葉を、私兵はただ静かに聞き入れた。
 その時。
「領主さま……」
 囁くようなかすれた声で、そう背中に声をかける者がいた。
 女性の声だ。
 グレイは振り返り、彼女を見た。先ほどここの娘を連れて出た女ではなかったか。
「どうかしたのか?」
「お嬢様のことです。相談がしたくて……その、お人払いを」
 グレイは私兵に数歩下がるよう言い、その場で女と話した。
「実は、お嬢様がベッドに倒れられた際に見えてしまったのです。体中にアザがあって……」
「アザ?」
「はい。最近出来たものではなく、昔からあったような色で……それに、時々ご主人様から厳しく注意されていることがあって……」
「……それは……」
 つまり折檻が行われていたということか。
「いつごろからだ?」
「あの、申し上げにくいことなのです。お嬢様の名誉に……」
「それは守る」
「はい。あの、実はお嬢様にはお腹が大きかった時期があって……太ったのではなく、お腹だけが。それが薄くなってから、ご主人様の態度が厳しくなっていったように思います」
 私生児がいた可能性があるということだ。グレイは思わず額を抱えた。
「その、腹の……行方は?」
「私どもは知りません」
 彼女は主人を裏切って密告してくれたのだ。グレイは困ったことがあればすぐに言うよう言って解放する。
 娘には父親に逆らえない事情があるということだ。おそらく話を聞いてもまともに答えないだろう。
「全く……」
 体調も良くなってきたところで早速のトラブルなのか。
 グレイは私兵に調査を命じ、その日は皆解散するようにと言い渡した。

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